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On the Production
by 井口健二
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■さんかく、冷たい雨に撃て、シュアリー・サムデイ、ザ・エッグ、ソフトボーイ、矢島美容室、鉄男+製作ニュース
矢島美容室。それは夫婦と2人の娘の一家で営まれていた。
ところがその父親が、「探さないでくれ」との書き置きを残
していなくなる。それでも健気に生活を続ける母親と娘2人
だったが…
これにソフトボール部で活躍している次女ストロベリーと親
友のメアリー、ライヴァルのラズベリーを巡るお話や、長女
ナオミが目指すビューティ・コンテスト、さらに母親マーガ
レットの昔のお仕事の話などが歌や踊りも交えて盛り沢山に
描かれる。
出演は、矢島美容室の3人(とんねるずとDJ OZMAは企画者
として名を連ねるが、出演はネヴァダから来た3人というこ
とになっている)。他に黒木メイサ、『パコと魔法の絵本』
のアヤカ・ウィルソン、『きな子』の山本裕典、2007年12月
紹介『東京少女』の佐野和真。
さらに『風が強く吹いている』のダンテ・カーヴァー、柳原
可奈子、伊藤淳史、振り付けも担当しているKABA.ちゃん、
水谷豊、大杉漣、松田聖子。因に伊藤の出演シーンでは、以
前に番組に出ていた頃のことが仄めかされていた。
また、スペシャルゲストとしてやはり以前に番組に出ていた
女優や日本アカデミー賞の受賞俳優らが登場している(この
情報は、ネットではすでにオープンになっているようだが、
一応伏せて置くことにする)。
脚本は、番組の構成作家で「矢島美容室」の楽曲の作詞家で
もある遠藤察男。監督は日清カップヌードルのCMで1993年
カンヌ広告祭グランプリ受賞や、とんねるず出演の出光興産
のCMと、そこから映画化された『ウルトラマンゼアス』も
手掛けた中島信也が担当している。
基本的にアヤカ・ウィルソンを除く、とんねるず石橋貴明や
黒木メイサが11歳という設定で登場するような作品だから、
そういう気持ちで観なければ何も始まらない。そうして観れ
ば、ベタなギャグもあまりないし、案外気持ち良く観られる
作品だった。

『鉄男 THE BULLET MAN』
2008年10月に紹介した『悪夢探偵2』などの塚本晋也監督が
1989年と1992年に発表したシリーズの最新作。
本当は、前の2作が海外でも高く評価された後で海外からの
リメイクのオファーがあって、アメリカの都市を舞台にした
物語も検討したが上手く行かず、結局東京を舞台にした物語
に帰結したそうだ。
その経緯もあって本作では、中心となる登場人物には日本在
住だがアメリカ出身とカナダ出身の出演者を起用し、台詞も
ほぼ全てが英語で進行される作品となっている。
物語は、日本の企業に勤める白人男性が主人公。妻と幼い息
子と共に平穏な生活を送っているが、主人公の父親は日本人
の妻が癌死した後は、健康管理と称して主人公とその息子の
血液検査を執拗に行っている。
そんなある日、血液検査を終えて帰宅途中の主人公と息子を
乗用車が襲い、息子が殺害される。ところが、そんな事態に
も拘らず主人公は冷静を努める。そんな夫に妻は怒りを爆発
させるが…。主人公には亡き母親からの怒りを抑えるための
教えがあった。
しかし妻の行動に徐々に冷静さを失って行く主人公。そして
彼の身体に異変が起こり始める。
基本的にはかなり過激なヴァイオレンスを描く作品であるか
ら、映画ではここからのアクションや造形が着目される。そ
こでは英語の副題にもつながる造形はユニークだし、アクシ
ョンの背景に流れる強烈なロック音楽との連携にも、さすが
と思わせるものはあった。
しかし物語の流れは『ハルク』であり、それが容易に観えて
しまうのは残念なところだ。その辺でもう少し塚本らしい捻
りが欲しかった感じもした。因に本作の上映時間は、昨年海
外の映画祭で上映されたときは80分だったようだが…試写会
では71分だった。
出演は、主人公にアメリカ出身で日本ではダンサーや写真家
としても活躍しているエリック・ボシック。その父親役に、
「カイエ・デュ・シネマ」誌などに寄稿しているカナダ出身
の評論家のステファン・サラザン。
他に、2009年3月紹介の『THE CODE』などに出演の

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03月28日(日)
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