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On the Production
by 井口健二
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■月と嘘と殺人、飛べペンギン、今このままがいい、オーケストラ、9+製作ニュース
        *         *
 今回の製作ニュースは、シリーズの続編の話題が纏まって
届いている。
 まずは気になる“Terminator”の権利に関するオークショ
ンの続報で、実は前回ライオンズゲイトとソニーの一騎討ち
になると紹介した争奪戦に、最終コーナーで新たにパシフィ
カーという入札者が登場。先行2社を蹴散らして権利を獲得
するという事態になってしまった。
 この新規参入社は2950万ドルの金額を提示して権利を一気
に奪取したというのだが、実はこの会社には倒産したハルシ
オン社の前にシリーズの権利を持っていたマリオ・カサール
が資金を提供しているとのことで、結局、カサールが3000万
ドルで売った権利を−50万ドルで買い戻したことにもなるよ
うだ。
 しかしこのパシフィカー社自体には当然のことながら大型
予算の映画製作をした実績はなく、カサールがバックアップ
したとしても簡単に映画を作れるものではない。そこで同社
では、さらに次のステップとしてソニーまたはライオンズゲ
イト社にその権利を転売する交渉をしていると言うのだが、
その金額は買い戻しの金額より高いのか低いのか、製作すれ
ば1億ドル以上の儲けが期待できるシリーズには、いろいろ
な思惑が絡んでいるようだ。
        *         *
 後は何せ本数が多いので、一気に箇条書きで紹介してしま
おう。現在、世界ではこんな続編が計画されている。
 以下はアルファベット順で:
“Asterix Chez les Bretons”は、2003年10月紹介『ミッシ
ョン・クレオパトラ』などの“Asterix le Gaulois”シリー
ズの最新作。1999年に第1作が公開され、2005年6月15日付
第89回で報告した第3作“Asterix aux jeux olympiques”
も本国では2008年に公開されている。その第4作となる本作
では、脚本・監督に昨年“Le Petit Nicolas”という作品が
公開されたローラン・ティアールを起用、多少停滞気味の興
行成績に渇を入れたい意向のようだ。主演の2人には2008年
作のコンビが再登場する。
“Black Hole”は、今年はディズニーから1982年作品『トロ
ン』の続編“Tron Legacy”が公開されるジョセフ・コジン
スキー監督の次回作で、1979年の同名作品(オリジナルは前
にTheが付いていた)のreimaginingが行われるとのことだ。
因にコジンスキー監督は、“Tron Legacy”でも当初は続編
やリメイクでないreimaginingを行うと述べていたもので、
今回もシグナス号のその後が描かれる可能性は高そうだ。
“Enchanted 2”は、2007年『魔法にかけられて』の続編と
なるものだが、この作品には新しい血が注入されることにな
りそうだ。そこでまず脚本には2001年『アイ・アム・サム』
などのジェシー・ネルスン、監督には昨年8月紹介『あなた
は私の婿になる』などのアン・フレッチャーの起用が発表さ
れた。ただしこの作品には、エイミー・アダムス以下の前作
の出演者が再度揃うかという問題が重要な訳で、そのために
も俳優たちの心に訴えるハイレヴェルな脚本と監督が求めら
れているようだ。
“Fast Five”は、2001年から続く『ワイルド・スピード』
シリーズの第5作。2006年の『TOKYO DRIFT』以降の脚本を
担当するクリス・モーガンと、ジャスティン・リン監督が再
登板する。物語は前作での活動で官憲から追われることにな
ったドミニクとブライアンのその後を描くもので、ヴィン・
ディーゼルとポール・ウォーカーの出演も決まっているよう
だ。今年の年末から撮影、2011年の公開が期待されている。
なおディーゼルには、それに続いて“Riddick 3”の計画も
あるようだ。
“Foundation”は、アイザック・アジモフ原作の映画化で、
新たな3部作を作る計画。この計画に付いては昨年2月1日
付第176回でも報告したように、コロムビアとローランド・
エメリッヒのセントロポリスが権利を獲得していた。そして
今回はエメリッヒ自身が、映画化はアジモフの最初の3部作
をそれぞれ1本ずつの映画とし、撮影は3Dで行う方針を明

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02月14日(日)
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