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On the Production
by 井口健二
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■すべて彼女の…、処刑山、海の金魚、やさしい嘘と贈り物、フローズンR、パーフェクトG、パラノーマルA、シェルター、サロゲート(追)
などのスティーヴ・ザーン、TV『LOST』のキエレ・サ
ンチェスと『ドリームキャッチャー』などのティモシー・オ
リファント、『グラインドハウス』のマーリー・シェルトン
と2009年『スター・トレック』に出演クリス・ヘムズワース
の3組のカップル。
舞台はハワイのカウアイ島。ミラとスティーヴのカップルは
片道1日のトレッキングでしか辿り着けないという美しい浜
辺を目指している。その旅に他の2組のカップルが関ってく
ることになるが…
そこにオアフ島でカップルが殺された事件が報告され、その
犯人もカップルでカウアイ島に向かったことが伝えられる。
しかし電波状態が悪くそれ以上の情報は得られない。果たし
て犯人はどのカップルなのか。
飛び切り美しい大自然の中で、極限状態のサヴァイバルが開
幕する。
この後の展開は、予想通りのかなり捻ったものになって行く
が、そうかなあと予測して観ている目にもさほどの破綻はな
いように思えた。凝った作りの作品であることは確かだ。た
だまあこれを観ていて観客が楽しいかというと微妙なところ
も有る訳で…
アクション映画と割り切ればそれもいいのだろうが、それな
りに感情移入して観てしまう観客としては、多少割り切れな
い感じはしてしまう。ただし結末には、成程そうだったのか
と思わせる巧みさはあった。
ストレートに描いたら唯のサヴァイバルでしかない物語を、
こんな風に料理してみせるという辺りがトゥーヒーの面白さ
とも言えるのだろう。
因に、今回の日本公開は98分のヴァージョンで行われるが、
本作には108分のディレクターズカットも存在するようで、
チャンスが有ったらそれも観てみたいものだ。
『パラノーマル・アクティビティ』“Paranomal Activity”
製作されたのは2007年。その年のホラー映画祭で受賞を果た
してドリームワークスがリメイク権を獲得するも、リメイク
してもそれ以上の作品は望めないと判断されて、今年9月に
アメリカで限定公開。当初は12館だった興行が話題を呼び、
5週目には全米2500館に拡大して累計1億ドル超の興行を達
成したという製作費15,000ドルの作品。
体裁は、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』や『クローバ
ーフィールド』など、この手の作品に有りがちな素人が家庭
用の機材で記録したと称するもので、その中に超常的な映像
が写されていた…という作品だ。
ただまあ、家庭用の撮影機材の進歩もすごいもので、本作で
は価格3,000ドルのソニー製HDカメラが使用されて、実際
の映像の中でも鏡に映るシーンが有るから本当にそれで撮影
されていると思われるが、その映像はプロ用のカメラでも遜
色の無いものになっていた。
物語は、8歳の時から周囲で異常現象が起きているという女
性と、その謎を解き明かして彼女を守ろうとする男性を主人
公に、多少外部の人間の登場もあるがほとんどは2人だけの
演技で、超常現象に見舞われる顛末が描かれている。
その超常現象は手を替え品を替えのいろいろなものが登場す
るが、、それなりに恐怖感も煽られるもので、ショッキング
というよりも、久々にぞくぞくする感じが味わえるものにな
っていた。
ただしお話の展開には多少無理な感じのするところも有り、
その辺がリメイクでも検討されたのだろうが、より良くはな
らなかったのかな。因に本作の結末はスティーヴン・スピル
バーグの意見で追加撮影されたものとなっているようだ。
脚本・監督は1971年生まれ、イスラエル出身の元ソフトウェ
アデザイナーという肩書きの人で、ゲームソフトの開発を手
掛けた後に本作で監督デビュー。次回作には“Area 51”と
いう作品がすでに撮影完了と発表されている。
なお本作の日本公開はアメリカ公開と同じく86分のヴァージ
ョンとなるが、他に99分のエクステンデッド・ヴァージョン
も有るようだ。
『シェルター』“Shelter”
2002年『めぐりあう時間たち』など4度のオスカー候補にな
っているジュリアン・モーアと、2006年6月紹介『マッチ・
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12月27日(日)
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