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On the Production
by 井口健二
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■ウルトラ銀河伝説、ソフィーの復讐、霜花店、イェロー・キッド、脱獄王、アイーダ、台北に舞う雪(追記)、カールじいさん…(追記)+他
し。ぜひとも次の作品も期待したいところだが、板尾の仕事
ぶりから考えると、それには時間が掛かりそうかな。

『アイーダ』“Aida”
ニューヨーク・メトロポリタン劇場2009−2010年シーズンの
オペラ公演をHDで撮影した作品が、「METライブビュー
イング」と称して順次劇場公開される。
その内の本作は、今年10月24日に公演された舞台を撮影した
ものだが、全米及びヨーロッパには生中継もされたとのこと
で、そのため幕間などには出演者へのインタヴュー映像や、
舞台裏での場面転換の模様なども挿入されている。
僕は、オペラなどにはついぞ縁のない人間だが、本作品に関
しては「凱旋の行進曲」は耳にしたことがあると言うか、そ
れだけは知っていた。そのためこの作品にも興味を引かれた
ものだが…でも、それ以外は見事に全く知らなかった。
物語は、エジプトとエチオピアが戦っていた古の時代。エジ
プトに捕えられファラオの家で奴隷として暮すアイーダは、
実はエチオピアの王女だったが、その身分は誰にも明かすこ
とができない。
そんなアイーダは、エジプトの若き武将ラダメスと密かに愛
し合っていたが、そのラダメスに神官からエチオピア討伐軍
の司令官が任命される。その名誉ある任務に喜ぶラダメスに
対してアイーダの心境は複雑だ。
一方、ファラオ家の娘アムネリスもラダメスに心を寄せてお
り、ラダメスが出陣で勝利を収めれば、彼との結婚が約束さ
れている。しかしアムネリスは、ラダメスとアイーダの関係
にも疑いを持っていた。
こんな三角関係とそれを取り巻く物語が、ヴェルディ作曲の
歌曲に載せて描かれて行く。そしてその舞台が、メトロポリ
タン劇場の巨大な舞台空間の中に構築された壮大なセットと
共に描き出される。
という本作だが、映画作品として観ていると多少の違和感は
ある。それは特に幕間に挿入される出演者へのインタヴュー
や舞台裏での場面転換の模様などに感じてしまうものだが、
本作の成立を考えるとそれも致し方ない。
ただ、以前に紹介した歌舞伎座の舞台面映像はそうではなか
ったから、その辺が違和感になった面はありそうだ。しかし
それを全部削除して2時間半ほどの作品にしたらそれも味気
ないのかな。所詮はイヴェントムーヴィという作品だろう。
とは言えそれなりのムードは味わえるし、舞台裏の場面転換
などは僕の目には興味深く観られて面白いものだった。
なお上映作品はこの他に、『トスカ』『トゥーランドット』
『ホフマン物語』『ばらの騎士』『カルメン』など全9演目
が、全て今年から来年の公演の模様で予定されている。

『台北に舞う雪』“台北飄雪”(追記)
この作品は東京国際映画祭のコンペティション部門に出品さ
れたもので、10月16日付の紹介(1)にも掲載したが、今回
は2月の日本公開に向けたマスコミ試写が行われ、改めて見
直して気付いたことを追記しておく。
そこで書きたいのは、建物の壁面や窓の明かりなどの照明効
果が見事な作品だったということだ。本作は題名に「雪」が
あることから雨のシーンが多いのだが、そのシーンの映像も
クリアで美しいのに加えて、夜景のシーンの素晴らしさに改
めて気付いた。
それは先の紹介に書いた「天燈」のシーンにもあるのだが、
その他でも、かなり後方にある建物まで丁寧に照明されてい
るシーンには目を引かれた。実は映画祭では上映後のQ&A
も記者会見も行われず、もしかすると監督自身はあまり納得
していないのかなとも思ったが、確かに他人の脚本を演出し
ただけの作品であったとしても、この映像美にはフォ・ジェ
ンチイ監督らしさが現れていると思ったものだ。
なおその他のコメントは上記の日付をご覧ください。

『カールじいさんの空飛ぶ家』“Up”(追記)
この作品も9月6日付で一度紹介したが、今回は3Dでの試
写を観たのでその報告。
実はこの作品については、前回の記事で「2Dだからオリジ
ナル音声が聞けた」と書いたものだが、今回の試写は3Dで

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11月22日(日)
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