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On the Production
by 井口健二
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■●REC2、アフロサムライ、ジェイン・オースティン、ロフト、ヴィクトリア女王、よなよなペンギン、ジャック・メスリーヌ+他
そしてそこに描かれる王室絵巻は、ヨーロッパ王室間の駆け
引きや政治劇などもそこそこに織り込み、また若くして権力
を持たされた女性の悩みなども丁寧に描き出している。さら
に物語の中心には、ヴィクトリアとアルバートの恋物語があ
り、そこにはまた王室特有の経緯なども絡んでくるものだ。
出演は、『プラダを着た悪魔』などのエミリー・ブラントと
『プライドと偏見』のルパート・フレンド。さらに『オペラ
座の怪人』のミランダ・リチャードスン、『アイリス』でオ
スカー受賞のジム・ブロードベント、そして『ダ・ヴィンチ
・コード』のポール・ベタニーらが共演している。
まあ、一般庶民には全く縁のないお話かも知れないが、傍観
者として観るにはあまり嫌味なところもないし、よくできた
歴史ドラマと言えるだろう。

『よなよなペンギン』
1979年『銀河鉄道999』などのりんたろう監督が、2002年
『CAPTAIN HERLOCK』以来となる監督を手掛けた作品。
りん監督の原作から『それいけ!アンパンマン』(劇場版)
などの金春智子が脚色、製作はりん監督が本拠を置いている
マッドハウスが担当した作品で、アニメーションにはフラン
スのスタッフも参加している。因にマッドハウスは、今夏の
『サマー・ウォーズ』も手掛けているプロダクションだ。
実は本作に関しては、7月に東京飯田橋の日仏学院で、駐日
フランス大使も出席しての監督と声優らの記者会見が行われ
た。その席で僕は監督に質問もしているのだが、その答えが
ちょっと期待にそぐわなくて、その報告もしていなかった。
そんな訳で多少の懸念を持ちながらの試写会だったのだが、
作品の出来は予想していたより良い感じだった。
物語は、ペンギンの飼育係だった父親を亡くした幼い少女が
主人公。彼女は父親が生前話していたペンギンと一緒に空を
飛ぶことを夢見て頑張っていた。
そんな彼女の許に1個の人形が現れる。そしてその人形から
彼女は新開店のペンギンストアに招待されるのだが、実はそ
の人形は異世界からの使者で、ペンギンストアはその異世界
に通じているもの。さらに彼女は、強大な敵に襲われている
という彼らの世界を救うため協力が求められる。
しかし彼女は、能力的には普通の女の子…。そんな少女の大
冒険が開幕する。
声優は、実写版『ちびまる子ちゃん』の森迫永衣、『夕凪の
町、桜の国』の田中麗奈、爆笑問題の大田光。この中では、
大田の如何にも子供らしい声の作り方と台詞廻しには驚き、
アニメ専門家の意見は知らないが、僕には納得できるものだ
った。
他に、高橋ジョージ、藤村俊二、柄本明、爆笑問題の田中裕
二らが共演。さらに松本梨香、ヒロシ、ダンディ坂野、小島
よしお、モーニング娘。のメムバーらが声を当てている。
まあお話は有りがちなものだし、これに妙に大人の説教など
が加わると目も当てられないものになる。しかし、『アンパ
ンマン』の脚本家はさすがに子供目線の物語を丁寧に作り上
げていた。
しかも大人目線で観ても物語に破綻は感じられないし、特に
結末の付け方などはスマートに仕上がっていた。正しく家族
で楽しめる作品というところだろう。ただし子供の年齢はか
なり幼い場合に限られるかもしれないが。

『ジャック・メスリーヌ Part1/Part2』
     “L'instinct de mort/L'ennemi public n°1”
1960〜70年代のフランスで悪名を轟かした銀行強盗犯の半生
を描いた実話に基づく作品。昨年の東京国際映画祭コンペテ
ィション部門に出品され、主演のヴァンサン・カッセルが男
優賞を受賞した。
ジャック・メスリーヌ(本人はメリーヌと呼ばせたがってい
たようだ)は、アルジェリアに出兵した1959年、上官の命令
で初めて人を殺す。その後、パリに戻ったメスリーヌは、父
親の願いとは裏腹に幼馴染みと闇の商売に手を出し、犯罪者
となって行く。
昨年映画祭で上映されたときのタイトルは『パブリック・エ
ナミーNo.1』。読みはフランス語的にはなっているが、当時

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10月04日(日)
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