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On the Production
by 井口健二
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■クリスマス・キャロル/3D特別映像、風が強く吹いている、大菩薩峠、ドゥーニャとデイジー+製作ニュース他
船舶や、その船一杯に積まれた財宝などに彩られたアクショ
ン・アドヴェンチャーが展開されることになりそうだ。
因に、クライトンは死去の前にこの作品を完成させていた
もので、原稿は完全な形で残されていたものを秘書が発見し
て、その原作は今年11月24日にハーパー・コリンズ社から出
版されることになっている。
そしてその作品の脚色を担当するのは、スピルバーグ/ク
ライトンの作品では、1993年の『ジュラシック・パーク』と
1997年の『ロスト・ワールド』を手掛けたデイヴィッド・コ
ープ。世界的な大ヒットとなった両作を担当した脚本家が、
題材は違うが再びクライトンの世界に挑戦することになる。
なお、コープの起用は実績が理由であることは当然だが、
実は『ジュラシック…』ではクライトンが執筆した脚本をコ
ープが完成させたもので、その手腕を買われて『ロスト…』
では最初から脚色を任されていた。従ってクライトン自身が
その力量は認めていたと言えそうだ。またコープは、『宇宙
戦争』『インディ・ジョーンズ』でもスピルバーグ監督作品
を担当しており、エンターテインメント作品ではスピルバー
グが一番信頼している脚本家でもあるようだ。
スピルバーグの予定では前回紹介したように“Harvey”の
撮影が来年早々に行われる計画だが、本作は順調に行けばそ
の次ぐらいの作品になりそうだ。そして海賊ものと言えば、
ブームの火付け役の“Pirates of the Caribbean”は、前々
回に紹介したようにその第4作の製作が発表されているもの
だが、そのブームの火にさらに油を注ぐような作品を期待し
たいものだ。
* *
前回“Excaliber”リメイクの記事の中で触れたブライア
ン・シンガー監督の“Jack the Giant Killer”は、童話の
大人版ということだったが、さらに同様の作品の登場で、こ
ちらは童話「赤ずきん」を“The Girl With the Red Riding
Hood”という題名で映画化する計画が進められている。
計画を進めているのは、レオナルド・ディカプリオ主宰の
製作プロダクションのアピアン・ウェイ。発表によるとこの
脚本は、2009年公開の“Orphan”(『エスター』という邦題
で10月日本公開が決定したようだ)が話題になっている脚本
家デイヴィッド・レスリー・ジョンスンが手掛けたもので、
その物語では狼を人狼とし、10代の若者たちの恋の三角関係
を絡めてゴシック風の物語が展開されるとのことだ。
なお、童話の「赤ずきん」はぺローの童話集やグリム兄弟
の著作にも収載されているものだが、元々の伝承では狼を人
狼としているものも多いのだそうで、その意味では今回の映
画化も間違いではなさそうだ。そして“Orphan”にはかなり
強力なホラーという情報もあり、面白くなりそうだ。
そしてこの計画に、『トワイライト−初恋−』を手掛けた
キャサリン・ハードウィック監督の参加も発表された。ヴァ
ンパイアからウェアウルフというのは順当な流れかな。さら
に本作では、ディカプリオの出演も噂されているものだが、
一体どんな役柄で登場するのだろうか。
ただしハードウィック監督は、ソニーで“Maximum Ride”
と“21 Jump Street”、さらにサミットで“If I Stay”、
オーヴァチュアで“Hamlet”などの作品にも関っており、ど
れが先行するかが明確ではないようだ。
* *
製作ニュースもう1つはちょっと気になる情報で、2011年
5月6日全米公開が予定されている“Spider-Man 4”に続く
“5”“6”の脚本に、『ゾディアック』などのジェームズ・
ヴァンダービルトとの契約がコロムビアから発表された。
普通この種の発表は歓迎されるものだと思うのだが、今回
は少し事情があって、実はヴァンダービルトは“4”の最初
の脚本家でもあったのだ。しかしこの時、新たな3部作を構
築したいとする脚本家の構想に、毎作読み切りで行きたいと
するサム・ライミ監督が難色を示し、3部作に亘る脚本家の
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08月30日(日)
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