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On the Production
by 井口健二
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■リミッツ・オブ・コントロール、あいつはカッコよかった、ヤッターマン、ボヴァリー夫人+製作ニュース
その物語は、クリス・クレモントとフランク・ミラーによる
日本を舞台にしたシリーズ“The Samurai”を原作とするも
ので、この中ではウルヴァリンが侍になってしまうとのこと
だ。そしてマカリーは、その原作に基づくストーリー概要を
映画会社に提出し、会社側がそれを認めて契約に踏み切った
もののようだ。なお“Wolverine”の第1作はベニオフが脚
本を手掛けたもので、マカリーはその手から脚本を取り戻し
たことにもなりそうだ。
 一方、ウルヴァリン役のヒュー・ジャックマンの再登場は
すでに契約されているとの情報もあり、ヒット作の余韻が冷
めないうちの製作準備は急ピッチで進められそうだ。
 それにしても“X-Men”というのは基本的に第2次大戦後
の話のはずなのだが、そこに侍とは…一体どうなってしまう
のだろう。それからファミリー展開の当初はその発端を描く
“X-Men Origins: Magneto”という計画もあったものだが、
そっちはどうなったのかな。
        *         *
 続いてはリメイクの情報を2本ほど紹介しよう。
 まずは、2003年3月15日付第35回などで紹介したコメディ
ファンタシー“Harvey”のリメイクが、スティーヴン・スピ
ルバーグ監督の次回作として来年早々に製作されることが発
表された。
 今ならイマジナリー・フレンドと呼んでしまいそうな身長
6フィート半のウサギが登場するメアリー・チェイス原作の
戯曲は1945年のピュリッツァ賞を受賞、さらに1950年に原作
者自身の脚色で映画化された作品では、共演のジョセフィン
・ハルにオスカー助演賞受賞と、主演のジミー・スチュアー
トには主演賞のノミネートをもたらしたものだ。
 その作品のリメイクについては、以前に紹介した当時には
MGMが権利を持って進めていたものだが、その権利が昨年
失効して新たにFox 2000が再契約を行い、その権利に基づく
リメイクがフォックスとドリームワークスの共同で行われる
ことになっている。
 そしてその監督に、ドリームワークスの主宰者でもあるス
ピルバーグが名告りを挙げたものだ。なおその切っ掛けは、
実は今回の映画化の脚色を、スピルバーグとは『マイノリテ
ィ・リポート』の製作に協力したというベストセラー作家の
ジョナサン・トロッパーが手掛けており、トロッパーが完成
した脚本をスピルバーグに送付、それを一読したスピルバー
グが直ちに動いたのだそうだ。
 因にスピルバーグの計画では、リーアム・ニースン主演に
よる歴史物の“Lincoln”や、アドヴェンチャシリーズ“The
39 Clues”の映画化なども報告されているものだが、実は、
昨年来のドリームワークスの動きの中で、以前にパラマウン
トとの契約で進んでいた作品は完成後の処遇が不明確になる
恐れがあり、スピルバーグとしては新規の計画を優先したい
気持ちもあるようだ。
 そんな中での今回の発表となったものだが、今回の作品は
フォックスとの共同製作とのことで、配給権はフォックスと
現在ドリームワークスが契約しているディズニーとの間で交
渉されることになる。一般的にこの種の交渉では、アメリカ
国内と海外の配給権を分割することになるものだが、さてど
ちらがどちらを取ることになるのだろうか。
 なお出演者では、オリジナルがオスカー候補になった主役
にはトム・ハンクスやウィル・スミスの名前も挙がっていた
ようだが、この内のハンクスはスケジュールの都合で断念を
表明している。また、以前の報告ではジョン・トラヴォルタ
が契約まで進んでいたものだが、その契約はキャンセルされ
ているものの、本人の気持ちはどうなのかな。その辺も注目
されるところだ。
        *         *
 もう1本は、1982年にドン・ブルース監督でアニメーショ
ン化されたロバート・C・オブライエン原作の“Mrs.Frisby
and the Rats of NIMH”(映画化名:The Secret of NIMH)
をリメイクする計画が発表されている。
 この作品は、郊外の農場に住む未亡人ネズミが、彼女の息

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08月16日(日)
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