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On the Production
by 井口健二
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■幼獣マメシバ、僕とママの黄色い自転車、モーニング・ライト+製作ニュース
教授の本業である‘Symbol’に‘The Last’が冠されている
訳だが、これでシリーズ完結編というものではないようだ。
そして、ブラウンによる原作の執筆はすでに完了されてい
るとのことで、アメリカカナダの発行元となるダブルデイ社
では初版500万部を準備してベストセラーにする対策を整え
ているそうだ。映画のヒットは保証付きのものだし、映画が
ヒットすれば第3作のベストセラーは間違いないだろう。
それで映画化は、2006年、2009年と来たから、次は2012年
の辺りになるのかな。
* *
お次はちょっと意外な展開で、2006年の6月と11月に前後
編が連続公開されて話題を呼んだ日本映画『デスノート』の
原作漫画が、アメリカでも映画化されることになった。
原作漫画は2003年12月から06年6月まで週刊少年ジャンプ
に連載されたもので、日本での映画化はその連載の終了前に
開始された。従って前編の映画化は原作の結末が不明のまま
行われたもの。さらに後編は原作の完結後とされてはいるも
のの、今回のアメリカでの報道によると、日本版の映画化は
原作の全編に対するものではないと判断されているようだ。
そこで今回のアメリカ版の製作は、日本版の再映画化では
なく新たな映画化と規定されているもので、原作漫画の全編
を映画化することになるようだ。そしてその脚本家として、
昨年11月15日付第171回で紹介したターセム・シン監督“War
of the Gods”なども手掛けているギリシャ人のチャーリー
&ヴラス・パーラパニデス兄弟の起用が発表されている。
なお、日本版の映画化では結末の弱さが指摘できるところ
だが、それでも前後編合せて80億円の興行収入を上げるヒッ
トを記録したとされており、2008年2月にはスピンオフ作品
の『L change the World』も製作されたものだ。その原作が
アメリカでどのように解釈され、新たな映画として製作され
るのか、期待して待ちたい。
* *
リメイクの話題で、1983年にカナダのデイヴィッド・クロ
ーネンバーグ監督が発表したSFスリラー“Videodrome”を
再映画化する計画がユニヴァーサルから発表された。
オリジナルの物語は、ケーブル向けにポルノ番組の放送を
行っているテレビ会社の社長が衛星放送から盗聴したと称す
る過激なヴィデオテープを入手し視聴するが、その後に一緒
に見ていた恋人が行方不明になる。そしてその行方を追う主
人公の許に1本のヴィデオテープが届けられる。それは彼を
恐怖の世界へと引き摺り込んで行く…というもの。主演は、
2002年『ジョンQ』などのジェームズ・ウッズが務めたもの
で、1981年の“Scanners”に続いてクローネンバーグ監督の
ブレイクの切っ掛けとなった作品だ。
そのオリジナルから今回は、ドリームワークス製作の新作
“Tranceformers: Revenge of the Fallen”なども手掛けた
アーレン・クルガーが脚色を進めているもので、物語は現代
化してナノテクノロジーの要素も取り入れた大型のSFアク
ションになるとしている。ただオリジナルは、1982年の『ポ
ルターガイスト』と並んでブラウン管TVならではの恐さが
あったもので、リメイクでは現代化は避けられないが、液晶
モニターの時代にどのような恐怖が生み出されるかも興味が
湧くところだ。
一方、このリメイク計画では監督が発表されていないが、
オリジナル版のクローネンバーグ監督は、現在は2月15日付
第177回で紹介したトム・クルーズ、デンゼル・ワシントン
の共演による“The Matarese Circle”を準備中となってい
る。ところが、実はクルーズとワシントンは共に次回作の計
画が発表されて、現状では“Matarese”の撮影は今年の年末
か2010年まで出来ないとのこと、それなら…という期待もあ
るようで、その辺も楽しみに次の報告を待ちたいものだ。
なおクローネンバーグの作品では、上記の“Scanners”も
デイヴィッド・ゴイヤー脚本、『ソウ3』のダレン・リン・
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05月03日(日)
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