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On the Production
by 井口健二
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■第178回
た。なおこの計画には、オリジナルに出演のシャロン・スト
ーンが大いに興味を示していたそうだ。
今回は、そのミラマックスが持っていた権利をコロムビア
が取得したもので、同社では『ワイルド・スピード』『ステ
ルス』から『アイ・アム・レジェンド』も手掛け、本来はコ
ロムビア傘下に籍を置くニール・H・モリッツを製作に起用
して、1990年の映画に基づく現代版のリメイクを検討してい
るとのことだ。因にモリッツは、ディック原作の魅力を「予
見性だ」と語り、今回の映画化では、「最新のVFXの進化
や技術の進歩を観せる」と発言している。
製作時期などは未発表だが、新たな予見性のある作品を期
待したいものだ。
* *
リメイクの最後は、ミュージカル版『ヘアスプレー』の映
画化を成功させたニューラインから、今度はジョージ・アボ
ット/スタンリー・ドーネン監督で、1958年に映画化された
ブロードウェイミュージカル“Damn Yankees!”(くたばれ
ヤンキース)の再映画化の計画が発表されている。
オリジナルは、タブ・ハンター、グエン・ヴァードンの共
演で、物語は熱烈なワシントンセネターズファンの男性が、
悪魔と取り引きして野球選手となり、宿敵ヤンキースを倒す
ために活躍するというもの。スポーツネタの話ではあるが、
悪魔との取り引きなどでファンタシーとしても評価のされて
いる作品だ。
その作品を今回は、ジム・キャリー、ジェイク・ギレンホ
ールの共演でリメイクすると発表されているもので、その現
代化した脚本は、1992年『プリティ・リーグ』なども手掛け
たローウェル・ガンツ、ババルー・マンデルが執筆すること
になっている。因に、オリジナルの映画化は、イギリスでは
“What Lola Wants”という題名が付けられており、ヴァー
ドンが演じたローラというキャラクターがタイトルロールに
もなっているものだが、今回は男優2人の共演でどのような
展開となるのだろうか。一応ニューラインの発表では、リメ
イク版の公開は2012年の予定となっているようだ。
なお、1958年のオリジナル版はワーナーの製作配給による
もので、今回はその傘下のニューラインが製作を担当してい
るものだ。
* *
続いては、これはリメイクとは呼べないと思うが、イギリ
スの中世と近世の人気キャラクターが相次いで映画化される
ことになった。
まずはユニヴァーサルから、ラッセル・クロウの主演と、
リドリー・スコット監督の『グラディエーター』コンビで、
シャーウッドの森の英雄ロビン・フッドの冒険が計画されて
いる。
この作品は、以前は“Nottingham”というタイトルで報道
されていたが“Robin Hood”に変更されるという情報も流れ
ているもので、脚本は『カンフー・パンダ』を手掛けたイー
サン・レイフ、サイラス・ヴォリスのコンビによるオリジナ
ルから、『ミスティック・リバー』でオスカー受賞のブライ
アン・ヘルゲランドがリライトしたとなっている。そして、
今までのロビンフッド物はどちらかというと明るいトーンの
作品が多かったが、今回は『グラディエーター』のような重
厚な作品を目指すとしており、製作費には1億3000万ドルが
計上されているとのことだ。
さらにこの作品では、クロウはロビンフッドと彼らを圧制
するノッティンガムのシェリフの役も1人2役で演じること
になっており、対決シーンは面白くなりそうだ。またロビン
の恋人マリアン役には、『ベンジャミン・バトン』のケイト
・ブランシェットの出演も発表されて、正に重厚な中世イギ
リスの物語が展開されそうだが、レイティングはPG-13の線
を目指すとしており、つまり正当的なイギリスの英雄譚が描
かれることになりそうだ。
なお撮影は4月初旬にイギリスで開始されるが、この映画
製作にはイギリスでの税法上の優遇処置が適用されることに
なっている。ただしクロウは、スコット監督との前作『ワー
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03月01日(日)
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