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On the Production
by 井口健二
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■第172回
の物語は、時間軸を逆向きに進んで行くエイリアンによる地
球侵略を描くとのことで、核戦争や異常気象による災害映画
とはだいぶ違ったものになりそうだ。脚本はチャド・セント
ジョンという新人のオリジナルで、その映画化が『300』
などを手掛けたハリウッド・ギャングの製作で進められる。
いやあ、何ともタイムパラドックスの塊になりそうな設定
だが、基本的に時間軸が逆向きということをどのように表現
するか、そこに説得力を持たせるだけでも至難の業になりそ
うだ。でもまあ、少なくともハリウッド・ギャングの首脳は
説得できた訳だから、それはそれだけの脚本になっていると
いうことなのだろう。
それにしても、敵はどんどん過去に遡って人類を破滅させ
ようとしている訳で、その対抗手段としては、敵の過去とな
る未来でその計画を潰すことになるが、それまで人類の文明
が保てるかどうかということになるのかな。それと、映像的
には敵は常に後ろ向きに歩くことになるのだろうか…?何れ
にしても、かなり不思議な雰囲気の作品になりそうだ。
因にセントジョンは、先に“The Further Adventures of
Doc Holiday”と題されたブルース・ウィリス向けの脚本を
手掛けているとのことで、西部劇とSF、まあ大衆エンター
テインメントとしては王道の作品を目指しているようだ。
なおハリウッド・ギャングでは、前回紹介したターセム・
シン監督の“War of the Gods”をカントン・プロダクショ
ンと進めている他、『モンゴル』のセルゲイ・ボドノフ監督
による“The Silk Road: The Adventure of Marco Polo”と
いう作品もエンドゲーム・エンターテインメントと進めてい
るそうだ。
* *
次はMGMから、キャスリーン・ライアン原作のヤング・
アダルト小説“Vibes”の映画化権を獲得したことが発表さ
れた。
内容は、普通の17歳のチアリーダーの主人公がある朝目覚
めると、他人の心が読めるようになっていた…という設定か
ら始まるコメディだそうで、原作は10月に出版されたばかり
のもののようだ。そして映画化の脚色を、2007年版“Nancy
Drew”を手掛けたティファニー・ポールセンが担当すること
も発表されている。
テレパシー物のコメディというと、2000年にメル・ギブス
ン、ヘレン・ハントが共演した“What Women Want”(ハー
ト・オブ・ウーマン)が思い浮かぶところだが、本作は17歳
の少女が主人公ということで、特に他人が自分をどう思って
いるかなど、人間関係も違ったものになりそうだ。製作は、
2003年『10日間で男を上手にフル方法』などのリンダ・オブ
ストが担当する。
なお脚本家のポールセンは、ディズニーで1987年の公開作
“Adventure in Babysitting”(ベビーシッター・アドベン
チャー)の続編や、他に“Rocket Ship”と題されたファミ
リー・アドヴェンチャーの脚本も手掛けているようだ。
* *
ゲイル・アン・ハード率いるワルハラ・モーション・ピク
チャーズが、デニス・ホープレス、ケヴィン・メロン原作に
よるグラフィックノヴェル“Gearhead”の映画化権の獲得を
発表した。
物語は、邪悪なスーパーヒーローたちに支配された合衆国
を舞台に、反乱軍に参加した若い女性を主人公としたもの。
最近のスーパーヒーローブームに対抗する作品ということに
なりそうだ。それにしても、主人公たちが通常の人間だとす
ると、彼らがスーパーヒーローに対抗するには、連携プレイ
か特殊兵器が必要になりそうで、それがうまく決まれば面白
さも期待できるものだ。
因に原作は、2006−07年にアルカナ・スタディオという出
版社から全4巻で発行されたもので、シェルビーという名前
の主人公が、はぐれた兄弟の所在を捜す内に徐々に反乱軍に
関わるようになり、やがてそのリーダーになって行く姿が描
かれているようだ。
なおハードは、元ジェームズ・キャメロン夫人で、『ター
ミネーター』の権利の半分を所有していたことでも知られる
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12月01日(月)
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