ID:47635
On the Production
by 井口健二
[460259hit]
■ポチの告白、制服サバイガール、三国志、はじめはコドモだった、かさぶた姫、約束の地、ロルナの祈り
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。 ※
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
『ポチの告白』
菅田俊、野村宏伸、井上晴美の共演で、日本警察の横暴と、
警察機構+検察+裁判所+報道機関の癒着による警察腐敗の
隠蔽工作を告発した作品。
裏金作りや囮捜査、さらには悪徳警官による暴力団との取り
引きなど、マフィアものではよく観る物語が日本の警察でも
行われていることを描き出す。その一端はすでに裏金問題で
明らかにされているが、それが氷山の一角であることを描い
ている。
警察問題ジャーナリストの寺澤有氏の資料提供及び原案協力
を得て創作された物語で、社団法人・日本外国特派員協会が
撮影に協力、日本映画では初めて同協会の記者会見場での撮
影が実現している。また、記者や通訳などもエキストラ出演
しているようだ。
上映時間3時間15分。この手の意識の高すぎる作品の陥りが
ちな、ダラダラとした作品かと思いきや、初っぱなから警官
の横暴ぶりを描いて、観客をいらいらさせる掴みも見事な構
成で、そこから後は強引な展開ながら引き摺られるように観
てしまった。
主人公はノンキャリアながら刑事に抜擢された元巡査。同僚
巡査の横暴さとは対照的な実直さで住民の評判もよく、それ
が刑事課長の目に留まって刑事に選抜昇進されたものだ。し
かし、彼の実直さは上司への盲従となり、組織ぐるみの腐敗
に巻き込まれて行く。
一方、警察の不正を告発しようとしていた男が、覚醒剤で暴
れた男の逮捕劇の中、居合わせた新聞社のカメラマンにその
決定的な写真を撮影させる。しかし、大手の新聞社が記事に
するのは警察の公式発表だけで、その写真は握り潰される。
さらに、拳銃取り引き現場の逮捕劇でも、決定的場面の撮影
に成功する男だったが、その情報も握り潰された挙げ句、男
は何者かに襲われて姿を消してしまう。
やがて歳月が流れ、刑事になった主人公は完全に悪の水に漬
かり、日夜上司のための金集めに奔走していた。そんなとき
姿を消していた男が舞い戻り、新たに起きた刑事殺しと過去
の事件のつながりを調べ始める。それに対して警察は…
実直だった1人の巡査が、上司の命令の下、あっという間に
落ちて行く姿が描かれる。それは弱みを握られたとかの理由
もなく、ただ上司の命令であれば正しい、それが国民のため
になると信じて行う行為だ。
そんな恐ろしい警察組織の実体が描かれる。上映時間は長丁
場だが、それなりの見応えはあった。
ただし結末はこれでも甘い感じで、もっとガツンとした衝撃
的なものが欲しかった。確かに衝撃的な結末だが映像が静か
すぎる。野村のシーンを後にした方が絵的にも良いし、空し
さも強調されると思うのだが、そのためにはそれなりの伏線
がもっと必要になりそうだ。
『制服サバイガールI&II』
12月6日から東京のキネカ大森で限定公開される女子高生ア
クション映画2本立のDVDを送付してもらったので紹介し
ておこう。
作品は2部作だが、物語のテーマはそれぞれ異なっていて、
第1部は『ウェストワールド』の流れを汲む題名通りのサバ
イバルアクションであるのに対して、第2部は『ローズマリ
ーの赤ちゃん』を髣髴とさせるストーリーとなっている。
つまりこの作品は、出演者が共通するシリーズものでありな
がら、物語は同じ話の繰り返しではなくそれぞれが独立して
いるもので、正しく「1粒で2度おいしい」(byアーモンド
グリコ)という感じのお得な2本立なのだ。
その物語の第1部は、学校から美術のスケッチにやってきた
7人の女子高生が、その内の1人の叔父の経営する江戸の町
を模したアミューズメントランドを訪れるというもの。そこ
では敵役が客を襲うことはなく、客たちは思う存分銃撃戦を
楽しめるはずだった。
ところがその場所に、近くの遺伝子組み替え研究所で作られ
[5]続きを読む
11月30日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る