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On the Production
by 井口健二
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■第171回
McG監督に推薦したことでも話題になった俳優だが、実は、
『カジノロワイヤル』の007にも最終候補の1人だったと
のことで、その才能がいよいよ開花することになりそうだ。
この作品の撮影は、来冬の終りか早春に開始される予定に
なっている。
というリメイクの情報だが、ここでさらにもう1本、この
計画と同様のギリシャ神話を題材にした作品の計画が発表さ
れた。
その作品は“War of the Gods”と題されているもので、
『落下の王国』などのターセム・シン監督の計画として今年
6月頃に発表されたもののようだ。そしてこの計画にも、ア
テネ王で怪物ミノタウロスを倒したことでも知られる英雄テ
セウス役を、ヘンリー・ケイヴィルという俳優が演じると発
表されている。
因にケイヴィルは、ジョナサン・リス・メイヤースがヘン
リー3世王を演じた2007年のテレビシリーズ“The Tudors”
への出演で知られているようだが、2005年の“Hellraiser:
Hellworld”などにも出演していた。そして『スーパーマン
・リターンズ』のスーパーマン役で最終候補の1人だったと
も伝えられている。
という良く似た経緯の主役起用が発表された作品だが、さ
らにこの作品の撮影も、冬の終りか早春に開始される予定に
なっているとのことで、これはまさに競作ということになり
そうだ。
なお、ギリシャ神話に発想を得た計画では、この他にも、
2003年10月1日付第48回で紹介した“Titans”や、同年12月
1日付第52回で紹介した“King of the Gods”、2005年8月
1日付第92回で紹介したヴィデオゲームからの映画化“God
of War”、2007年6月15日付第137回で紹介したDCコミッ
クスの映画化“Teen Titans”などもあったが、いずれも頓
挫している模様で、現状では今回紹介の2作品の計画が併走
で進むことになりそうだ。
* *
後半は、新規の話題を出来るだけ紹介する。
その最初は、『最高の人生の見つけ方』などのロブ・ライ
ナー監督の新作で、ゾーイ・グリーンという作家が執筆した
オリジナル脚本“Book of Shadows”の映画化を進めている
ことが発表された。
物語は、初恋を成就するために危険な旅に挑む若者を描い
たもので、そこには「影たちの本」を名付けられた神秘の本
を探す旅も含まれている。そしてその旅は世界の調和を取り
戻すために旅でもある…というものだ。因に、『スタンド・
バイ・ミー』や『ミザリー』の映画化でも知られるライナー
監督だが、1987年の『プリンセス・ブライド・ストーリー』
は、脚本家ウィリアム・ゴールドマンが執筆したファンタシ
ー小説を映画化したもので、この種の題材にも力を発揮でき
る監督と言える。
製作は、ライナーとゴールドマンが主宰するキャッスル・
ロックで行われ、配給はワーナーが担当する。
* *
ドリームワークスで『燃え尽きるまで』を監督したサム・
メンデスが、本拠であるコロムビアに戻り、超常現象を扱っ
たグラフィックノヴェル“Preacher”の映画化を目指すこと
になった。
原作は作家のガース・エニスと、画家のスティーヴ・ディ
ロンが1995−2000年の間に全75冊で執筆したもので、テキサ
スの町の伝導師を主人公に、強い信念によって町を守ってき
た主人公が、外部からの圧力によって滅びかけた町を救うた
め、悪魔を探して国中を旅して歩く…というものだそうだ。
そしてこの原作からメンデス監督が映画化を行うものだが、
メンデスは2002年の『ロード・トゥ・パーディション』以来
のグラフィックノヴェルへの挑戦となるものだ。
製作は『アイ・アム・レジェンド』などのニール・モリッ
ツが担当。因にモリッツとコロムビアでは、同じエニス原作
の“The Boys”という題名のコミックブックの映画化も進め
ているようだ。
なお、コロムビアの親会社SPEの日本法人では、最近試
写会名簿の見直しを行ったようで、僕宛の試写状が送られて
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11月15日(土)
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