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On the Production
by 井口健二
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■第170回
なおリンゼイ=アベアーは、2005年公開のアニメーション
『ロボッツ』と、2008年製作の“Inkheart”の脚本も手掛け
ており、映画脚本の実績もある人だが、以前のインタヴュー
では自作について、「アウトサイダーとなっている人物が、
自分自身の所在を明確にしようとする物語」と称しており、
この辺がスパイダーマン=ピーター・パーカーのキャラクタ
ーにマッチするとも考えられたようだ。
サム・ライミの監督復帰と、トビー・マクガイアの主演も
発表され、キルスティン・ダンストは、本人は希望している
ものの脚本家に具体的な注文はされていないそうで、第4作
の製作準備は、2011年5月の公開に向けて順調に進み出して
いる。
* *
10月1日付第168回でも報告した“Tintin”の製作につい
て、ユニヴァーサルがキャンセルした契約を、改めてソニー
・ピクチャーズとパラマウントが共同で引き受けることで話
し合いが進められている。
この計画については、2007年6月1日付第136回で最初に
報告しているが、ベルギーの漫画家ヘルゲが1923年から発表
してきたコミカルアドヴェンチャーを、スティーヴン・スピ
ルバーグとピーター・ジャクスンの監督により連続映像化し
ようするもので、原作のキャラクターを活かすために全編を
パフォーマンス・キャプチャーによる3Dアニメーションで
製作することになっている。
そしてこの計画に関しては、当初はドリームワークスでの
製作が行われ、同社がパラマウントに買収されたことから、
本作品の配給もパラマウントと考えられていた。ところが、
ドリームワークスをパラマウントから再独立させる動きが表
面化、この時点でいち早くユニヴァーサルが本作品の製作を
バックアップすると公表されたのだが、ユニヴァーサルは結
局製作を支援しないことを決めてしまった。さらにその後に
ユニヴァーサルはドリームワークスと配給契約を結ぶことも
発表されたが、何故か“Tintin”に関してはその中に含まれ
ないことも明らかにされていたものだ。
ということで、一時は配給が宙に浮いて製作も危ぶまれた
作品だったが、その総額1億3500万ドルと言われる製作を、
ソニーとパラマウントが交渉しているものだ。因にこの交渉
で、パラマウントは北米大陸及び英語圏、ソニーはその他の
海外配給権を得ることになっている。
ただし、この契約ではパラマウントとドリームワークスの
関係が微妙になるが、最終的に“Tintin”の製作にドリーム
ワークスは関らない形にしてその辺はクリアにするようだ。
スピルバーグ所有の製作会社では、ドリームワークスとは別
にアムブリンもあるから、今回はそちらが動くのかも知れな
い。一方、ジャクスン監督の新作“The Lovely Bones”に関
しては、事前の契約に従ってドリームワークス製作、パラマ
ウント配給で公開されるようだ。
そして“Tintin”の第1作は、スピルバーグ監督の次回作
として2010年の公開を目指し、この秋からの撮影が予定され
ている。また、第2作の撮影はそれに続けてジャクスン監督
の手で行われる。ただし、現時点で第3作を製作するかどう
かは、第1作の結果を観てからにするそうだ。まあ、スピル
バーグ、ジャクスンと言えども、それくらい慎重にはなって
いるということだ。
* *
ところでそのジャクスン監督が製作を務める『LOTR』
の前日譚“The Hobbit”は、ギレルモ・デル=トロの監督で
準備が進められているが、その撮影をIMax−3Dで行うとい
う噂が広まっている。
この情報は、実は『ヘルボーイ:ゴールデン・アーミー』
のプロモーションで行われたデル=トロ監督の来日記者会見
の翌日に伝えられたもので、記者会見では訊くことができな
かったが、常識的に考えてIMaxは無理としても、3Dの可能
性はあるようだ。
ただし、公開中の『センター・オブ・ジ・アース』の上映
でも、後方の客席でスクリーンの画枠が観える状態では3D
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11月01日(土)
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