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On the Production
by 井口健二
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■ファニー・ゲームU.S.A.、ぼくのおばあちゃん、むずかしい恋、カフェ代官山2、反恋愛主義、バンク・ジョブ、252(追記)
ンピラにその内容は判らないままそれを強奪させようと計画
する。
そして策略に引っかかった女性は、昔馴染みで金に困ってい
るチンピラの男に、警備会社からの情報としてその銀行の防
犯設備が停止していることを教え、銀行の貸金庫を強奪する
ことを提案するが…
まんまと強奪に成功した貸金庫には、王室のスキャンダルだ
けでないいろいろな闇の情報が隠されていた。そしてそれら
を手に入れた男は、MI-5だけでなく、ロンドン中の悪徳警官
や裏社会の住人たちからも追われることになってしまう。
物語のどこまでが真実かは判らないが、まああってもおかし
くない話ではある。それで映画の展開では、犯人たちがかな
りの幸運に恵まれたりもするのだが、それは事実は小説より
も奇なりということなのだろう。
それにしても、あってもおかしくはないと言ってもかなり奇
想天外なお話だし、主人公と各組織との正に綱渡りの攻防が
緊張感一杯に描かれる。その展開は映画として極めて面白い
ものになっており、それがこの映画の優れていると言えると
ころだ。
主演は、『トランスポーター』シリーズなどのジェイスン・
ステイサム。また『フリーダ』のサフロン・バロウズ、『プ
ロヴァンスの贈り物』のダニエル・メイズ、『ブリジット・
ジョーンズの日記』のジェームズ・フォークナーらが共演し
ている。
監督は、『世界最速のインディアン』などのロジャー・ドナ
ルドスン。イギリスでは初登場第1位、全米でも4週に渡っ
て興行ベスト10に食い込んだという作品だ。
* *
『252』(追記)
この作品の完成記者会見でちょっと面白いことがあったが、
ネタバレに繋がる話なので、ここに伏せ字で報告させて貰う
ことにする。
日本映画の記者会見では滅多に質問をしないが、今回は最初
に手を挙げる人がいなかったので質問してしまった。でも本
当は、もっと真面な質問が出た後でジョークとして質問した
かったものだ。
その質問は、「主演と原作者が同じ『海猿』がフジテレビ=
東宝で製作公開され、今回は日本テレビ=ワーナーでの製作
公開だが、その映画の中で、お台場のフジテレビが打っ飛ぶ
シーンがあるのに汐留が描写されないのは、何か意図があっ
たのか」というもの。
この質問に対して最初にマイクを向けられた原作者・小森陽
一の答えは、「僕も映画を観てびっくりしました。意図は監
督に聞いてください」というもの。ここで場内爆笑となり、
続いてマイクを向けられた主演の伊藤英明は、「余りに強烈
な質問なので、頭の中が飛んでしまった」という回答になっ
てしまった。
そして監督の水田伸生からは、「お台場はランドマークで、
汐留は間に浜離宮があるから」という回答だったが、つまり
これは「お台場はランドマークとして日本全国に知られてい
るが、汐留は未だそれほどの知名度がないから描いても仕方
がなかった」ということのようだ。実際、汐留に波が打ち寄
せるシーンを描いても東京の人間以外はほとんど判らないの
が現状だろうし、それでは全国区の映画にはならないという
ことだ。
という質疑応答だったが、原作者や特に伊藤英明のパニック
ぶりが面白くて会場を沸かせることはできた。とは言え、や
はりこれは半分ジョークのようなものだから、最初の質問で
するものではなかったような気もする。でもまあ僕としては
他人が訊くようなことは訊きたくないし、いつもこんな質問
を用意して会見に臨んでいるものだ。
以上で、記者会見の報告を終ります。
09月21日(日)
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