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On the Production
by 井口健二
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■パティシエの恋、恋愛上手…、ボディJ、花は散れども、6年目も恋愛中、センターオブジアース、ダイアリーオブザデッド、ブラインドネス
ものだ。
出演は、前回も紹介したようにブレンダン・フレーザー、ジ
ョッシュ・ハッチャースン、それにアイスランドの新星アニ
タ・ブリエム。プロローグとエピローグの少しを除いて、ほ
とんどこの3人だけの演技となる。
監督は、『キャプテンEO』などディズニーランドの3Dア
トラクション映像のVFXを手掛けてきたエリック・ブレヴ
ィク。実写の監督は初めてだが、永年培ってきた3Dの技が
見事に冴え渡っている。
因に今回の試写は、六本木にあるギャガ試写室を期間限定で
3Dシアターにして行っているものだが、そのシステムには
Dolby 3Dが用いられていた。この試写室は元々ディジタル対
応ではあったが、Dolby 3Dというのは本当に簡単に3D化で
きるもののようだ。
それから一般公開は吹き替えになると思われるが、その声優
には沢村一樹、入江甚儀、矢口真理が決まっているようだ。

『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』“Diary of the Dead”
ジョージ・A・ロメロ監督による本家ゾンビ映画。
それぞれリメイクされたNight-Dawn-Dayに続いては、2005年
に“Land of the Dead”を発表したロメロ監督だが、前作が
有名俳優も揃えて大作風に作ったのに対して今回は、学生の
自主映画というスタイルで、原点に戻ったような作品に仕上
げている。
ただし、映画に登場する報道の音声には、ウェス・クレイヴ
ン、スティーヴン・キング、サイモン・ペグ、クウェンティ
ン・タランティーノ、ギレルモ・デル=トロら、ファンには
豪華な顔ぶれが登場しているようだ。
物語は、学生たちが山中で卒業制作のホラー映画を撮ってい
るところから始まる、凝り性の監督のお陰でスケジュールも
オーヴァーして、他の学生たちにも嫌気が差していたとき、
携帯ラジオから異様な報道が流れ始める。
それは、死体が甦って生きている人間を襲い始めたというも
のだ。最初は半信半疑だった彼らも事態を信じざるを得なく
なり、急遽学校へと戻るがすでにそこは藻抜けの殻。そして
恐ろしい状況に直面することになる。
そこで監督役だった学生は、後世にその事実を残すため、全
てを映像で記録することを決意するが…
ヴィデオカメラで撮られた学生映画という設定では、1999年
公開の『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』を思い出させる
が、同趣向の作品の中では、『クローバーフィールド』がわ
ざと稚拙感を出したような姑息なこともせず、プロの作品に
仕上げている。
そしてそこに、インターネットから拾ってきたという映像を
挟み込むことで、物語の視点を拡大させ、世界が直面した未
曾有の危機を見事に描き出して行く。特に、このインターネ
ットを挟むという手法が、批判的な部分を含めながら見事に
機能しているものだ。
その他にも監視カメラの映像など、現状有り得る映像を巧み
に織り込んで、物語をヴァラエティに富んだものに仕上げて
いる。ただし、1つのシークェンスでは本来ないはずの映像
が出てくるが、これはどうしたことだろうか。ちょっとロメ
ロの遊びかな。
「ゾンビは走れない」という台詞が出てきたり、リメイク作
品への批判とも取れる部分もあるが、ロメロのゾンビへの思
い入れは強く感じられた。なお、他の台詞で‘shoot me’に
は2重の意味を持たされていることは、気づいて欲しいもの
だ。そして結末では、現在の闇が見事に描き出されていた。
なお最新の情報によると、“Diary of the Dead 2”の製作
が9月に開始のようだ。

『ブラインドネス』“Blindness”
『シティ・オブ・ゴッド』『ナイロビの蜂』のフェルナンド
・メイレレス監督による人間ドラマ。ノーベル賞作家ジョゼ
・サラマーゴ原作『白い闇』の映画化。
物語の発端は、アメリカの何処かと思われる都市の街角で、
日本人男性の運転する車が立ち往生するところから始まる。
その男性は、突然目の前が真っ白になり何も見えなくなった
と言うのだ。
そこは何とか自宅に辿り着いた男性は、帰宅した妻と共に眼
科医を訪ねるが、目そのものには全く異状がなく原因も治療

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08月17日(日)
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