ID:47635
On the Production
by 井口健二
[460291hit]

■キズモモ、東京残酷警察、シルク、ワイルド・バレット、女工哀歌、春琴抄、ゾンビ・ストリッパーズ、文七元結
描かれている。
監督はピンク映画出身で2006年『青いうた』などの金田敬。
脚本は『死神の精度』などの小林弘利。どちらもそつなくと
いうか、きっちりと仕上げている感じの作品だ。特に、明治
の時代の雰囲気などはそれなりに出ていたように感じた。
主演の2人については、僕がここで紹介した作品ということ
で上記の作品を挙げたが、特に斎藤に関してはNHKの連続
ドラマの主演などでも人気があるようだ。なお、この原作の
映画化は通常女優の主演で紹介されるが、本作は斎藤の主演
となっている。
という人気者の主演作だが、その公開はモーニング&レイト
ショウのみとのことで、何か勿体無い感じもする。しかし、
元々興行よりもDVD売りが目的の作品ということなのか、
これで商売になるというのもご立派なことだ。
因に、本作DVD売りは先のことになるはずだが、すでに斎
藤工をフィーチャーしたメイキングDVDは発売されている
ようだ。また、完成披露試写会はサイエンスホールで有料で
行われるようで、そういう体制が整ってきているということ
なのだろう。
共演は、『仮面ライダー龍騎』などの松田悟志。さらに語り
手でもある下女役に扮した沢木ルカのちょっと人を食ったよ
うな演技は面白かった。

『ゾンビ・ストリッパーズ』“Zombie Strippers!”
現在、アメリカのポルノ業界で最高人気女優の1人と言われ
るジェナ・ジェンスン主演によるセクシーゾンビ映画。
死者を蘇らせて、死をも恐れぬ兵士を生み出そうというアメ
リカ軍の秘密研究が破綻し、ゾンビが市中に溢れ出す。いつ
もお決まりのような発端だが、本作ではそれが違法な地下ク
ラブのストリッパーに感染して…
映画の巻頭では、ブッシュ大統領が4選を決め、アメリカが
世界中に戦争を仕掛けている状況が説明される。これが結構
ありそうで笑えるが、あまり笑ってばかりいられないような
感じにもさせてくれるものだ。
共演は、地下クラブのオーナー役としてロバート・イングラ
ンド。『エルム街の悪夢』のフレディ・クルーガー役で有名
なホラー俳優が、何故このような作品に出ているのか不明だ
が、裸の女優たちを眺めてにやにや演じている姿は、正に役
得という感じがした。
脚本と監督はジェイ・リー。元々が低予算のホラー映画を量
産してきた人のようだが、その当時から「どんな作品のコン
セプトでも、ゾンビ・ストリッパーよりはまし」と思ってい
たそうだ。それがずばりその作品を作ったのだ。
ただし、脚本の下敷きにはウジェーヌ・イヨネスコの『犀』
があるとのこと。この作品はナチスの台頭を許した民衆の無
関心を描いたとされているものだが、映画の冒頭に置かれた
映像には、それを考えさせるものも含まれている。
そして、ジェンスンもその政治思想に共感して出演を快諾し
たということだが、それはそれとして、本作は彼女の見事な
ポールダンスなど、ストリップティーズの演技も楽しめる作
品になっている。
因に物語の設定では、ゾンビになるとダンスが上手くなり、
より多くの男たちが魅惑される…となっていて、それで率先
してゾンビになろうとするダンサーも現れることになる。そ
んなところも政治的な意図で読み取れる作品ということだ。
もちろんコメディ仕立ての作品だが、意外と深いものも持っ
ている。アメリカ映画界も、そろそろそういう目が強くなっ
てきているようだ。

『人情噺/文七元結』
シネマ歌舞伎と呼ばれる映像作品の第6作。今回は、三遊亭
円朝の原作口演による落語の人情噺を歌舞伎にし、その舞台
面をハイヴィジョン撮影したもので、その撮影の際の監督を
山田洋次が務めている。
江戸時代の庶民の話。左官の長兵衛は仕事の腕は上等だが、
大の賭博好きで酒好き。お陰で借金も積もり積もって後妻の
女房との間に喧嘩も絶えない。そんな大晦日も近いある宵、
娘のお久の姿が見えなくなる。
ところが、娘を捜しに行こうと慌てているところに訪ねてき
たのが吉原の茶屋の男。男はお久が父親の仕事で知っていた

[5]続きを読む

08月10日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る