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On the Production
by 井口健二
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■第162回
 というオリジナルからのリメイクだが、今回の計画では、
No.2役をイアン・マッケラン、No.6役を『デジャヴ』などの
ジェームズ・カヴィエゼルという配役で、2人の丁々発止の
対決が行われることになるようだ。本国での放送は2009年の
予定となっている。
 因に、以前の映画化の情報は、『バットマン・ビギンズ』
のクリストファー・ノーランが、『ダーク・ナイト』の後に
撮るという計画だったが、今回の計画との関係は不明。ノー
ランの計画では、『12モンキーズ』の脚本家との契約も発表
されていたが、その後の進展は報告されていなかった。今回
発表は、その『ダーク・ナイト』の公開直前に行われたが、
意図的なタイミングかどうかも判らないものだ。
        *         *
 ここからは続編の話題を紹介しよう。
 まずはちょっと意外な展開で、一昨年7月20日付で紹介し
たポン・ジュノ監督の『グエムル/漢江の怪物』の続編を、
昨年6月20日付で紹介した『クレージー・ストーン』のニイ
・ハオ監督脚本で中国で映画化することが発表された。
 オリジナルは、韓国では観客動員数1200万人を記録する大
ヒットとなったものだが、日本では正直あまり良い成績は残
せなかったようだ。その理由はいろいろ語られているが、僕
自身は怪獣の出自などの設定がちゃんと描き切れていなかっ
たことが不満だったと紹介したものだ。
 という作品が中国では、昨年3月に公開されてNo.1ヒット
を記録したとのことで、今回は物語の舞台を中国に移しての
続編製作となっているものだ。因に、この続編の製作費には
米ドル換算で1200万ドルが予定され、その半額を中国、残り
を香港と韓国の映画会社が負担するとなっている。
 一方、オリジナルの怪獣のVFXは、WETA、オーファ
ネイジなどハリウッド映画も手掛ける工房に発注され、それ
はかなり見事に描かれていたものだが、今回も同じ会社に発
注されるものかどうか、その辺も気になるところだ。
 とは言うものの、何といっても気になるのは物語で、オリ
ジナルでは、韓国と駐留米軍の関係などのかなり政治的な背
景も語られていたものだが、これを政治体制の異なる中国で
どのように語り直すのか、その辺も興味津々となる。撮影は
来年早々に開始され、本国での公開は2009年末の予定とされ
ている。
        *         *
 もう1本、続編の話題は、かなり大胆とも言える計画で、
『300』の原作者フランク・ミラーとザック・スナイダー
監督が続編(?)の検討を進めているとのことだ。
 この物語では、オリジナルでジェラルド・バトラーが演じ
たレオニダス王は…なもので、常識的には前日譚かスピンオ
フとなるものだが、製作者たちの発言では続編が作られるこ
とになっているようだ。しかもレオニダス王の物語とのこと
で、果たしてミラーがどのようなアイデアを持ってくるか…
ということになっている。
 因に、同様の問題を抱える続編の計画では、ラッセル・ク
ロウ主演の“Gladiator”と、ウィル・スミス主演の“I Am
Legend”もある訳だが、そんな中でも、“300”の場合は、
ミラーの卓越したアイデアに期待がもたれているものだ。
 この他の続編の計画では、『クローバーフィールド』も噂
が絶えないようだが、監督のマット・リーヴスからは、「特
別なアイデアが浮かばない限りできそうにない」という発言
が出されているそうだ。
        *         *
 続いては、タイムトラヴェル物の計画が次々報告されてい
る。
 まずは、2007年1月15日付第115回で紹介した“The Time
Traveler's Wife”に関しては、レイチェル・マクアダムス
のタイトルロールとエリック・バナの共演で、すでに撮影は
終了しており、12月25日の全米公開を目指してポストプロダ
クションが進められている。因に、全米配給はニューライン
だが、日本配給はまだ発表されていないようだ。
 これに続いては、『ウォーク・ザ・ライン』のジェームズ

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07月01日(火)
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