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On the Production
by 井口健二
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■第160回
た(第69回、第85回等参照)が、どうやらその時の契約の期
限が切れたようで、新たに権利の争奪戦が行われてソニーが
獲得したとのことだ。因に、契約金の金額は6桁($)で、
映画が完成したら7桁が支払われるとされている。
 またこの計画には、『サハラ』を監督したブレック・アイ
スナーの参加も発表されており、製作はソニーに本拠を置く
『バンテージ・ポイント』などのニール・モリッツの担当で
進めることになるようだ。
 オリジナルは、1934年にアレックス・レイモンドによって
始められたコミックスだが、1936年、38年、40年にバスター
・クラブ主演の連続活劇として映像化されて人気を博した。
また映像化では、1980年にディノ・デ・ラウレンティス製作
による大作映画化も話題になったもの。そのヒーローが装い
も新たに再登場することになりそうだ。
        *         *
 一方、同じくバスター・クラブ主演による連続活劇が評判
を呼んだ“Buck Rogers”にも映画化の計画が持ち上がって
いる。
 このオリジナルは、1928年のアメージング・ストーリー誌
にフィリップ・F・ノーランが発表した2篇の中編小説によ
るものだが、1929年に新聞の連載コミックスとして登場する
や絶大な人気を博し、33年にラジオドラマ化、そして39年に
はユニヴァーサルによる連続活劇が製作されている。なお、
33−34年に開催されたシカゴ万博に10分間のプロモーション
映画が上映されたという記録もあるそうだ。
 さらにこの原作からは、1950−51年と、79−81年にテレビ
シリーズ化もされているが、実は今回の映画化の切っ掛けと
なっているのは、1990年代にゲーム作家としても知られるフ
リント・デイルが発表したグラフィックノヴェルの存在で、
そのデイルの脚色と製作で計画が進められているものだ。
 そしてこの計画に、アクション映画専門のヌ・イメージス
/ミレニアムの参加が発表されて、本格始動となっている。
 またこの計画には、“Sin City 3”も進めているフランク
・ミラーの監督情報もあり、『300』の成功にも貢献した
ミラーの参加には期待が膨らむところだ。
 因に、ミラーの参加は以前から噂されていたものだが、つ
い先月にも否定のコメントが出されるなど、情報は交錯して
いた。しかし今回は、ヌ・イメージスの幹部が、「契約には
至っていないものの、最有力の候補だ」と発言しており、可
能性は高くなっているようだ。なお、映画の製作費には4000
万ドルが想定されているそうだ。
        *         *
 ところで、今回このようにスーパーヒーロー物の計画が相
次いだのは、『アイアンマン』のヒットの影響が大きいそう
だが、その製作会社のマーヴェルからは前回紹介したのとは
別の計画が発表されている。
 その作品は“Runaways”という題名のもので、本国の情報
でもあまり知られていないシリーズとされていたもの。しか
も、この映画化の脚色には、オリジナルのコミックスを手掛
けるブライアン・K・ヴォーンが起用されるとなっている。
つまり、あまり知られていないシリーズだから、原作者が脚
色するのが一番だが、特に映画の専門家でない人材を起用で
きるのも、ヒット作を生み出した自信の現れと言えそうだ。
 物語は、10代の若者たちのグループが自分たちの家族の秘
密に気付く。それは彼らの両親たちが、実は人類を敵とする
超悪人だったというもの。そこで彼らは家を飛び出し、彼ら
の両親の起源と自分たちに課せられた使命を探す旅を始める
…というものだ。かなり面白そうなお話だが、実はコミック
スの開始が2002年で、それでまだ知名度も低いのだそうだ。
 因にマーヴェルには、凡そ7500のコミックスシリーズがあ
るのだそうで、その多くは著名なものではない訳だが、今回
の“Runaways”のケースが成功したら、今後はそれらの作品
にも光が当たるチャンスが多くなりそうだ。
        *         *
 2005年12月紹介の『ジャケット』や、新作『告発のとき』

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06月01日(日)
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