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On the Production
by 井口健二
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■同窓会、天安門、落語娘、次郎長三国志、コレラの時代の愛、ホット・ファズ
前作同様、ライト監督、ペッグ主演で作られた警官コメディ
映画。本国イギリスでは2007年2月に公開されて3週連続の
トップに輝いたとのことだ。
主人公は、生まれも育ちもロンドン。子供の頃から警官を目
指し、大学を主席で卒業後に勤務した首都警察では、犯罪者
の検挙率が他の警官の4倍というスーパーコップ。しかし、
その優秀さが祟って周囲から疎まれ、ついに地方の警察署に
転属となってしまう。
そしてやってきたのは、ヴィレッジ・オブ・ザ・イヤーにも
選ばれ、ここ数10年は犯罪など起きたことがないという田舎
の村。そんな中でも常に優秀な警官として行動する主人公の
姿は、呑気な村の警察署では浮いてしまうばかり。
こうして、自動車の衝突で生首が転がっていたり、ガス爆発
で邸宅の主人が黒焦げ死体になっていても、全ては偶然の事
故で片付けられる田舎の警察署で、全てに疑いの目を向ける
主人公の活躍が始まるが…
物語の設定からパロディを予想して観に行ったが、物語は予
想以上にしっかりしていて、コメディとしての笑いもまとも
なもの。中には『わらの犬』からジョン・ウー監督まで、過
去の名作を思い出させるシーンも登場するが、そこはかえっ
て真剣に演じられていて、パロディというよりオマージュと
いった感じになっている。
このためコメディ自体はそれなりに予想が付いてしまうもの
もあるが、それを上回る展開の面白さで最後まで一気に楽し
ませてくれた。しかも、笑いをためらうような下品なくすぐ
りなどは出てこないから、誰でも何時でも安心して笑える作
品になっているものだ。
ただし、前作がゾンビ映画という監督たちの特性はそれなり
に発揮されていて、上記の生首が転がっているシーンや、こ
の後にもかなり強烈なスプラッターは登場する。その辺は多
少注意して観に行って欲しい作品。と言ってもR指定は受け
ていないようだが。
共演は、『ショーン…』にも出演のニック・フロスト。それ
に加えて、元007のティモシー・ダルトン、『POTC』
のビル・ナイ、『ライオンと魔女』ジム・ブロードベント、
『イン・アメリカ』パディ・コンシダインなど錚々たる顔ぶ
れが脇を固める。
さらにクレジット無しのカメオ出演では、ケイト・ブランシ
ェット、『銀河ヒッチハイクガイド』の監督スティーヴ・ク
ーガン、ピーター・ジャクスンも出演しているとのことだ。
何でこんなにと言われそうだが、前作の評判で本作の製作に
はそれだけの注目が集まったとのこと。それにしても、すご
い顔ぶれが揃ったものだ。
05月25日(日)
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