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On the Production
by 井口健二
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■第157回
実写の出演シーンは、ベッソン監督によって昨年の夏にノル
マンディで撮影済だそうで、現在はCGIアニメーションの
製作中。マドンナ、デイヴィッド・ボウィ、スヌープ・ドッ
グらの声の出演がどうなっているかは不明だが、取り敢えず
製作費には、“…Maltazard”の分だけで前作を15%上回る
9600万ドルが計上されているとのことだ。
 なお、“…Maltazard”の物語の発端は、前作でボウィが
演じたMaltazardの脅威が復活、マドンナが演じたSelenia姫
の救難連絡に応えて、アーサーが再びミニモイの世界に向か
うというものだ。
        *         *
 お次は、1986年に公開のロボット映画“Short Circuit”
(ショート・サーキット)のリメイクが計画されている。
 オリジナルは、アリー・シーディーとスティーヴ・グテン
バーグの共演で、ジョン・バダムが監督。ナンバー5と呼ば
れる軍事用ロボットが平和な町にさ迷い出る物語は、1988年
には第1作に助演して最近では2005年『ダウト』などのプロ
デューサーとしても活躍しているフィッシャー・スティーヴ
ンス主演による続編『ショート・サーキット2/がんばれジ
ョニー5』も作られている。
 そのリメイクが、TWC傘下ディメンション・フィルムス
で行われることになったもので、製作は、オリジナルの2作
を手掛け、最近では2003年の『ザ・コア』なども担当したデ
イヴィッド・フォスター。また脚本も、オリジナルの2作を
手掛け、その後に1990年の『トレマーズ』などを発表したS
・S・ウィルソンとブレント・マドックに依頼されていると
いうものだ。
 そしてこの計画について、ディメンションの主宰ボブ・ワ
インスタインは、「ファミリー映画として位置づける」とし
ており、フォスターは「オリジナルのテーマは変えないが、
VFXには最新の技術を採用する」と語っている。
 まだ監督やキャストも未定の計画だが、オリジナルのナン
バー5は、最近では『NEXT』なども手掛けたエリック・
アラードが当時の最新の技術で製作操演したもので、それが
どのように再現されるかも楽しみだ。
        *         *
 ユニヴァーサルが争奪戦の末に、“Earth vs. Moon”と題
されたSFオリジナル脚本の権利を6桁($)後半の契約金
で獲得したことが報告された。
 この脚本の具体的な内容は全く明かされていないが、執筆
したのはポール・ウェアニックとレット・リーズの2人。こ
の内のリーズは、2001年『モンスターズ・インク』の脚本家
の1人として知られており、また2人のコンビでは、スパイ
クTVの番組などで人気を得ているとのことだ。
 と、報道はこれだけだが、SFということとこの題名から
は、当然地球−月間戦争が想像されるもので、SFファンと
しては第37回などで紹介した故ロバート・A・ハインライン
原作の“The Moon Is a Harsh Mistress”(月は無慈悲な夜
の女王)を思い出してしまうところだ。このハインライン原
作の映画化に関しては、その後は情報が跡絶えてしまってい
るが、一応計画としては、現在も『ゾディアック』などのフ
ェニックスと、『ハリー・ポッター』シリーズのヘイデイの
共同製作として生きている。
 ということで、今回の計画がそれとどう違うかも気になる
ところだが、ハインラインの原作に描かれたいろいろな月−
地球間の特性は科学的な事実として物語の中で利用すること
はできるものだし、その辺も充分に吟味して面白い作品が作
られることを期待したい。そしてできれば、その相乗効果で
ハイライン作品の映画化も実現するとさらに嬉しくもなると
ころだ。
 なおウェアニックとリーズのコンビでは、“Zombieland”
という「地球一臆病な男が、ゾンビに支配された世界で生き
残りの人々のリーダーになってしまう」作品もコロムビア製
作で進められているようだ。
        *         *
 後は短いニュースをまとめて紹介する。
 最初は、ベルリンの本拠を置くラザー・フィルムが、昨年

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04月15日(火)
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