ID:47635
On the Production
by 井口健二
[460302hit]

■第155回
いうもの。それ以上の詳しい情報はないが、ジャスティ・ボ
ンディとアンドリュー・ルディントンによるオリジナル脚本
から、ワイズマンと2004年の『セルラー』などを手掛けたク
リス・モーガンがリライトを行ったとのことだ。
 実はワイズマンは、この企画を5年も前から温めてきた。
しかし製作規模が大きく、製作費も多額になると予想される
作品の製作にはなかなか乗り出せないでいた。ところが昨年
『ダイ・ハード4.0』を手掛け、同シリーズで最高の興行成
績を達成した監督に、漸くその規模の作品を製作できる状況
が整ったとのことで、ついに実現に向かって動き出したもの
だ。
 発表された内容を読むと、『ブレード・ランナー』にも似
た作品の印象を受けるが、そこに相当額の製作費が注ぎ込ま
れるというのは期待したい。因にワイズマンは、『メン・イ
ン・ブラック』や『Godzilla』なども手掛けた視覚効果用の
美術スタッフ出身で、『アンダーワールド』でもその美学は
表現されているが、今回はその究極の映像が観られそうだ。
 具体的な製作時期は未定だが、発表はワイズマンの次回作
として行われている。
      *         *
 未来アクションスリラーと称されている“Doomsday”が、
3月14日にフォーカス映画社のジャンル部門ローグから全米
公開されたニール・マーシャル監督の次回作として、同じく
ローグの製作で昔の西部を舞台にした“Sacrilege”という
ホラー映画の計画が発表されている。
 物語は、西部劇としても華やかなゴールドラッシュ時代を
背景にしたものだが、この時代は、その一方でDonner Party
事件など悲惨な出来事にも象徴される暗黒の時代でもあった
とのこと。本作はその暗黒面を描いた「歴史ホラー映画」に
なるそうだ。
 因にイギリス出身のマーシャル監督は、幼少時からホラー
映画もその他の映画も同等に観て育ってきたとのことで、そ
れらのジャンルを融合した作品を作ることが夢だったとして
いる。そして本作に関しては、アメリカの怪奇作家H・P・
ラヴクラフトが描く『許されざる者』とも称しており、さら
に監督は、「私は火種となるものを常にいくつか内に持って
いるが、この作品はその中でも最も長く自分の心を虜にして
きた」として、映画化に意欲を燃やしているものだ。
 製作時期は未定だが、マーシャルはただちに撮影台本の執
筆に取り掛かるとのことだ。
        *         *
 またまたコミックスの映画化で、ヴァリアントコミックス
というところから出版された“Harbinger”というシリーズ
の権利をパラマウントが獲得し、ブレット・ラトナー監督で
実写映画化を進める計画が発表された。
 内容は、特殊な能力の発現した「先駆者」と呼ばれる若者
たちを主人公にしたもの。その能力は、「オメガ」と呼ばれ
る者たちによって発現させられるが、そこには悪人も存在し
ている。そしてその悪人は、特殊能力を使って巨大企業を作
り上げたりもしている…という展開になるようだ。
 因に、1992年にクリエーターのジム・シューターによって
スタートされたシリーズは、2005年に選出された「1990年代
に誕生した最も重要なコミック10作」の中でNo.1にも選ばれ
た作品とのことで、かなりの期待作になりそうだ。また作品
には、若者を主人公にした『ブレード・ランナー』という呼
び方もされていた。
 その映画化がラトナーに任される訳だが、ラトナーは言う
までもなく『X-men3』の監督も手掛けた人であり、彼自身
がそれに続くスーパーヒーロー物のシリーズ作品を探してい
たところに、今回の企画が提案されたということのようだ。
とは言え、前作と同じような超能力者集団を描く作品に、ラ
トナーがどのような手腕を見せるかにも注目が集まる。
 ただしラトナー自身には、以前に紹介した“Playboy”な
どの企画も目白押しになっているものだが、今回の計画では
それらの作品を進めている間に、脚本家が脚本を完成させる

[5]続きを読む

03月15日(土)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る