ID:47635
On the Production
by 井口健二
[460302hit]

■第153回
すでに撮影を完了して今年全米公開の予定になっている。他
に『エルム街…』のテレビシリーズではエピソードの監督も
しているものだ。また、本作でイングランドは出演もするよ
うで、他にローマ在住のロシア人女優のオルガ・シュヴァロ
ヴァがヒロインを演じて、その他の出演者は選考中とされて
いる。
 撮影は4月にイタリア中部のラツィオ州で「滅びゆく町」
とも呼ばれる山岳都市のチヴィタ・ディ・バーニョレージョ
で行われる。このロケ地は、観光スポットとしても人気があ
るようだが、その素晴らしい風景の中で怪奇な物語が展開さ
れることになるようだ。
 1961年版を監督したバーヴァはイタリアン・ホラーの第1
人者とも呼ばれた人。そのバーヴァの出身地のイタリアで、
しかも原作を産んだロシアの女優を招き、さらに現代ホラー
俳優の第1人者のリーも出演するこの映画化は、ちょっと気
になる作品になりそうだ。
        *         *
 一方、『エルム街の悪夢』に関しては、マイケル・ベイ監
督が共同主宰するジャンル専門プロダクション=プラティナ
ム・デューン(PD)の製作で、2003年の『フレディvsジェ
イソン』以来となるシリーズの再開も計画されている。
 因にこのシリーズでは、過去に8本の劇場映画と2つのテ
レビシリーズが製作され、これらは製作元のニューラインで
『LOTR』以前の稼ぎ頭だったそうだ。そして今回の計画
では、PDはニューラインとの共同で製作を進めるもので、
脚本家組合のストライキが終結し次第、脚本家の選考を始め
るとしている。ということは、そろそろ脚本家も決まりそう
だ。
 この他にPDでは、2003年『テキサス・チェーンソー』の
マーカス・ニスペル監督を起用して、“Friday the 13th”
シリーズの再開も5月の撮影開始予定で準備を進めており、
さらに以前に紹介した“The Birds”のリメイクを、マーテ
ィン・キャンベル監督、ナオミ・ワッツ主演によりユニヴァ
ーサルで進めている他、デイヴィッド・ゴイヤー監督による
エクソシスト物のスリラーと、1987年キャサリン・ビグロウ
監督作品“Near Dark”(ニア・ダーク/月夜の出来事)の
リメイクを、ミュージックヴィデオ出身のサミュエル・バイ
ヤー監督で準備中とのことだ。
        *         *
 『ディスタービア』のD・J・カルーソ監督と、主演のシ
ャイア・ラブーフのコンビで、DC/ヴァーティゴ・コミッ
クスから刊行されていた“Y: The Last Man”の映画化の計
画が発表された。
 このコミックスは、2002年9月からほぼ月刊ペースで60巻
が発行されたもので、今年1月に最終巻が出版されて完結し
ている。物語はヨーリック・ブラウンという名のアマチュア
奇術師が、人類を含む全哺乳類の雄が1夜にして死滅した世
界で、唯一の生き残った男性(人間以外では、お供の雄猿も
1匹だけ生き残っているようだ)となり、いろいろな冒険を
繰り広げるというもの。
 当然、そこでは彼が生き残った理由を解明する謎解きも行
われるが、全体の物語では最初は子供じみていた主人公が、
徐々に真の男になってゆく成長も描かれているとのことで、
カルーソ監督はその成長の物語にも惹かれているそうだ。内
容だけチェックすると、あらぬ想像もしてしまいそうな展開
だが、かなり真剣な物語になるようだ。
 そして計画では、コミックスの最初の14巻までを第1作と
して映画化することになっており、これは最終的に3部作で
の映画化が目論まれているとのこと。脚本は、『ディスター
ビア』も手掛けたカール・エルスワースが担当しているが、
スト中は具体的な作業はできなかったものだ。
 なお映画化権は、2003年当時にニューラインが契約して、
この時はデイヴィッド・ゴイヤーと、『ザ・リング』などを
手掛けたバンダースピンクスが製作を担当することになって
いた。また、一時『アイ・ロボット』のジェフ・ヴィンター
が脚色を契約していたが、その契約は解除されたようだ。

[5]続きを読む

02月15日(金)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る