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On the Production
by 井口健二
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■第152回
 先ずは続報で、2006年11月15日付第123回で紹介したコー
マック・マッカーシー原作“The Road”の映画化が、ヴィゴ
・モーテンセン、シャーリズ・セロンの共演で進められるこ
とが発表された。
 この作品は、以前に紹介したように核戦争後の世界を舞台
としたもので、かなり厳しい状況の許、父親が息子を安全地
帯に連れていこうとする物語。その間にはかなりダークな現
実が描かれるとされる。そして前回の紹介では、大手映画会
社での製作は見送られたということだったが、今回の情報に
よるとアメリカ国内の配給が、TWCのジャンルブランド=
ディメンションと契約されたとのことだ。
 監督は、前回紹介から変らずオーストラリア出身のジョン
・ヒルコット。また脚色を、2004年にダニエル・クレイグ、
サマンサ・モートン共演で映画化された“Enduring Love”
(Jの悲劇)のジョー・ペンホールが担当している。
 なおモーテンセンは父親役、セロンは母親役だが回想シー
ンに登場するだけとのこと。また息子役には、撮影中の『X
−メン』のスピンオフ作品“X-Men Origins: Wolverline”
でローガンの若き日を演じるコディ・スミット−マクフィー
が出演予定とされている。他に、監督の前作に主演したガイ
・ピアースも出演者となっているようだ。
 マッカーシーの原作による『ノーカントリー』は、今年の
アカデミー賞で作品賞を含む8部門の候補になって賑わして
いるし、モーテンセンも主演賞候補になったところで、この
顔ぶれはかなり強力と言える。その強力な顔ぶれでかなり厳
しいと言われる内容の物語が、果たしてちゃんと映画化でき
るかどうか、期待して待ちたいところだ。
        *         *
 吸血鬼と狼人間との戦いを描く“Underworld”シリーズの
第3弾“Underworld: The Rise of the Lycans”については
昨年11月1日付第146回で紹介したが、現在撮影中の作品に
加えて第4弾の計画も進んでいることが報告された。
 計画されている物語についてはまだ極秘とされているが、
第3作までを作った上で必要になった物語とのことで、最初
の2作でケイト・ベッキンセールが演じた吸血鬼の女戦士セ
レーンと、スコット・スピードマンが演じた狼人間マイクル
・コルヴィンが再び登場する可能性が高そうだ。
 因に、当初の計画は第1作、第2作の後に前日譚を描くと
いう、現在進行中の計画の通りだったそうだが、その中から
新たな物語が誕生してきたとのことで、製作しているレイク
ショアの幹部は、「3作を踏まえた上での、最も強力な作品
になる」と期待を表明している。
 その作品にベッキンセールとレン・ワイズマンがどのよう
に関っているかは明確でないが、ワイズマンが参加すれば、
実生活でもパートナーのベッキンセールの参加も自動的に決
まるもので、再びあの女戦士の姿が見られるのは嬉しいこと
ではある。ただ、現状は第3作が撮影中な訳で、取り敢えず
はそれが終ってからの話になるものだ。
 マイクル・シーンが演じる狼人間のリーダー=ルシアンの
誕生を描く第3作は、前2作にも登場のビル・ナイ、シェー
ン・ブロリーに加えて、新たにソニアという役で『ナンバー
23』などのローナ・ミトラが参加。クリーチャー・デザイ
ナーのパトリック・タトポウロスの監督の許、2009年の公開
を目指して撮影が進められている。
        *         *
 コミックスの映画化で、2004年にリーアム・ニースン主演
の『愛についてのキンゼイ・リポート』などを製作したマリ
アド・ピクチャーズと、新興コミックス・クリエーター集団
のスタジオ407が提携を結び、その第1弾としてスタジオ
407が手掛けるホラー・コミックス“Hybrid”の実写映画
化を進めることが発表された。
 物語は、大学生のグループが夏休みの航海中に放棄された
トロール漁船を見つけるが、それは進化した魚ミュータント
の巣窟だったというもの。原作のストーリーは、編集助手と

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02月01日(金)
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