ID:47635
On the Production
by 井口健二
[460310hit]

■第148回
登場するとのことだ。
 このシリーズでは、第1作の大ヒット直後に、スタッフ・
キャストをそのまま継承した第2作の計画が発表された。と
ころが、ディーゼルが出演を拒否、監督のロブ・コーエンも
降板して、結局ジョン・シングルトン監督で製作された第2
作では、ウォーカーのキャラクターだけが再登場して、物語
もあまり継続性のないものになっていた。
 これに対して第3作では、舞台も東京に移すなど思い切っ
た改訂が行われ、それはそれで面白い作品になっていたもの
だ。しかも、ジャスティン・リンが監督したこの作品では、
何とディーゼルのカメオ出演というおまけまで付いていた。
 つまり第2作にはウォーカー、第3作にはディーゼルが登
場したもので、彼らのシリーズへの思い入れが感じられた。
そしてそのシリーズの第4弾で、再び2人が揃うことになる
ものだが、この流れからは、こうなるのも必然という感じも
するものだ。
 なお第4作の物語は、ネットの情報では、第1作での問題
で刑務所に入っていたウォーカー扮するブライアンが、麻薬
捜査のために出所を許され、ディーゼル扮するドミニクと共
に潜入捜査に赴くということだが…これでは第2作とほとん
ど同じになってしまうもので、僕自身は多少疑問に感じてい
る。具体的な製作時期などは未発表だが、過去のシリーズの
配給はユニヴァーサルが担当している。
        *         *
 続けてジョン・シングルトン監督の情報で、“Executive
Order: Six”と題されたスリラーの計画が発表されている。
 この作品は、雪に埋もれた小さな町を舞台に、飛行機の墜
落事故から出現した謎の存在が町を脅かす恐怖を描くという
もの。スティーヴン・キング辺りが書きそうな物語だが、脚
本は、1997年『イベント・ホライゾン』などのフィリップ・
アイスナーが手掛けており、ちょっとSFタッチの作品のよ
うだ。
 正直に言って『ワイルド・スピード2』でのシングルトン
の演出は、アクションとしてはあまり切れが良いとは感じら
れなかった印象がある。でもまあSFホラーはアクションで
はないし…。監督はジャンルムーヴィもあまり手掛けたこと
はないはずだが、ここでどんな手腕を発揮するか楽しみだ。
 因に、シングルトン監督の最近作は“Four Brothers”と
いうものだが、実はその後に準備していたハリー・ベリー、
ビリー・ボブ・ソーントン共演の“Tulia”という1999年の
テキサスでの麻薬事件を扱った実話に基づく作品が、ベリー
の妊娠判明で急遽延期になっており、本作はその代りとして
急浮上した。製作は、リレイティヴィティ。撮影は2008年の
早期を目指すとされており、キャスティングなどはすでに進
行しているようだ。
        *         *
 『スウィニー・トッド』の公開が迫ってきたティム・バー
トン監督が、2008年は古巣のディズニーで2本の3D映画を
監督すると発表された。
 その1本目は、ルイス・キャロルの原作による“Alice in
Wonderland”。ディズニーでは1951年にアニメーションで映
像化された作品を、今回は『ライオンキング』などのリンダ
・ウルバートンの脚本により、『ベオウルフ』でも採用され
たパフォーマンス・キャプチャーの技術を使って再映画化し
ようというものだ。
 因にディズニーの製作担当者は、製作者のジョー・ロスが
提示した脚本を見るなり、「このヴィジョンを映像化できる
のはティムしかいない」と判断したそうで、そのヴィジョン
がどんなものであるかは定かでないが、面白いことにはなり
そうだ。撮影は2月に開始され、5月中の完了を目指すとし
ている。
 そしてもう1本は“Frankenweenie”。1984年にバートン
が監督した短編作品(昨年3D化された)を長編化するもの
で、この作品はオリジナルと同様ストップモーションで撮影
されるが、今回は最初から3Dでの撮影が行われるというこ
とだ。製作は『アリス』に続けて行われる。

[5]続きを読む

12月01日(土)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る