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On the Production
by 井口健二
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■第147回
のような感じもするが、監督は、数年前にインドを旅した時
の印象と、アズテカの暦が2012年で終っているという事象か
ら物語を思いつき、以来数年に亙って計画を練り上げてきた
とのことだ。
撮影は来年1月に開始の予定となっているが、配役などは
未発表。製作は、2003年の『モンスター』でシャーリズ・セ
ロンにオスカーをもたらしたドナルド・クシュナーとブラッ
ド・ワイマンが担当している。なおクシュナー、ワイマンと
監督は、スナイプス主演の最新作“Hard Luck”という作品
をソニーから発表しているようだ。
アズテカの暦が2012年12月23日で終っているという話は、
アメリカの情報では最近いろいろ聞くようになってきたが、
『ノストラダムスの大予言』では何年も前からあれだけ大騒
ぎした日本で、まだ盛り上がってこないのが不思議なところ
だ。やはり仕掛け人がいないと駄目なのかな。
* *
テリー・ギリアム監督の次回作として“The Imaginarium
of Doctor Parnassus”という計画が発表されている。
内容は、他人の想像世界に入り込み、その世界で超現実的
な冒険を繰り広げるというもの。さらにプロットとしては、
旅回りの一座と共に現れたParnassus博士が、集まった観客
に魔法の鏡を抜けて冒険の旅に出ることを勧める…というの
だが。旅回りの一座という辺りから何とも怪しげな雰囲気の
漂うお話で、しかもギリアムが脚本も手掛けているというこ
とでは、相当の物語になりそうだ。
そしてこのParnassus博士役を『サウンド・オブ・ミュー
ジック』などのクリストファー・プラマーが演じ、他にヒー
ス・レッジャー、トム・ウェイツらが共演している。因に、
レッジャーは『ブラザーズ・グリム』以来の監督とのコラボ
レーションになるものだ。
製作は、『バイオハザード』シリーズなどのサミュエル・
ハディダが主宰するデイヴィス・フィルム。また、製作者に
はハディダの他に、『カポーティ』を手掛けたウィリアム・
ヴィンスが参加している。
撮影は、12月にロンドンでスタートし、その後にカナダの
ヴァンクーヴァに移動するそうだ。配給は未定。
なおデイヴィス・フィルムでは、『コナン』の原作者とし
て知られるロバート・E・ハワードの別の小説で、清教徒の
戦士が活躍する“Solomon Kane”の映画化を進めている他、
“Silent Hill”の続編も進行中だそうだ。
* *
『パンズ・ラビリンス』のギレルモ・デル=トロ監督が、
1968−69年に日本でも放送されたイギリス製の超能力スパイ
シリーズ“The Champions”(電撃スパイ作戦)の映画化を
進めることを発表した。
オリジナルの物語は、国際的諜報機関に所属する男2人、
女1人の諜報部員を主人公としたもので、彼らが中国での作
戦行動の帰路、搭乗する飛行機がチベット奥地で墜落、彼ら
は未知の文明を持つ人々に救出されるが、そこで超能力を授
かる。そして諜報機関に復帰した彼らは、授かった超能力を
駆使して難事件を解決して行く…というお話だ。
このオリジナルシリーズは、パトリック・マッグーハン主
演の“Danger Man”(秘密司令)などの製作者のモンティ・
バーマンと、“Stingray”“Thunderbirds”などの脚本を手
掛けたデニス・スプーナによって創造されたもので、それま
での例えば“Supermann”のようなコミックスヒーローとは
一線を画する現実的な超能力者のヒーロー像が描かれたとい
う評価もされている。
そして今回の計画では、デル=トロが、製作、脚本、監督
の3役で関わるとしているものだが、実は、報道ではデル=
トロ本人のコメントは紹介されておらず、計画に至った経緯
などは明らかではない。そのせいか、『ブレイド2』『ヘル
ボーイ』、それに『パンズ…』と続いた彼の路線からは少し
ずれるのではないかという意見も出されていた。
しかし、デル=トロクラスの監督が、ましてや脚本、製作
まで含めて意に沿わない仕事をするはずはないもので、彼な
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11月15日(木)
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