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On the Production
by 井口健二
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■第143回
に完成したばかりのアンディ・フィックマン。また最新の脚
本はマット・ロペスが担当している。
 なおザ・ロックは、スティーヴ・カレラ、アン・ハサウェ
イ共演のワーナー作品“Get Smart”の公開が控えている。
        *         *
 4本目はワーナーから、1969年公開の“The Illustrated
Man”(いれずみの男)のリメイクを、『300』のザック
・スナイダー監督で進める計画が発表された。
 オリジナルの映画化は、ジャック・スマイト監督で、ロッ
ド・スタイガー扮する全身にいれずみを施された男が、その
中に描かれた女性(クレア・ブルーム)を求めて彷徨うとい
う設定の許、レイ・ブラッドベリが1951年に発表した同名短
編集の中から“The Long Rains”“The Veldt”“The Last
Night of the World”の3話がいずれもスタイガー、ブルー
ムの主演で映像化された。
 ただし、原作の短編集には全部で18篇が納められており、
再映画化では同じ作品が選ばれるとは限らないが、実はスナ
イダー監督自身は“The Veldt”がお気に入りで、それには
再挑戦するかも知れないとのことだ。正直に言ってオリジナ
ルの映画化は、全体としてはあまり高い評価は受けていない
ものだが、スナイダー監督の力量で新たな評価を勝ち取って
もらいたい。
 なおスナイダー監督は、現在は“Watchman”という作品を
ワーナーで準備中で、今回の計画は直ちには取り掛かれない
ようだ。しかし、脚本は同じアレックス・ツァが担当する予
定になっており、準備は並行して進めることができそうだ。
        *         *
 リメイク情報の最後は、第112回でブライアン・シンガー
監督の降板を報告した1976年公開“Logan's Run”(2300年
未来への旅)のリメイクに関して、ワーナーでは新たにジョ
セフ・コジンスキーという監督と契約して計画を継続するこ
とに決めたようだ。
 因にコジンスキー監督は、次の記事で紹介する“Tron”の
監督にも起用が発表されており、こちらはリメイクでも続編
でもなく‘the next chapter’という位置付けだそうだが、
いずれにしてもいろいろ問題を抱える作品を相次いで引き継
ぐことになる。どういう経緯かは知らないが、しっかり頑張
ってもらいたいものだ。
        *         *
 ということで、お次は1982年公開のサイバースペース映画
『トロン』を脚本監督したスティーヴン・リスバーガーが、
“Soul Code”という新作の脚本監督で映画界に復帰するこ
とになった。
 物語は、人間の記憶を完璧にコピーして他人に移植する技
術の開発を巡って、若い女性に移植された他人の記憶との戦
いを描くというもの。因にこのストーリーは、ウェブサイト
IGN.comでホステスを務めるジェシカ・ショボットという女
性と会った際に、彼女に触発されたものだそうで、「彼女は
映画界の人でないから、見方が全然違う。彼女は観客が何を
望んでいるかを考えるのではなく、彼女自身が観客なのだ」
とのこと。新たな見方で脚本が執筆されたようだ。
 そして、その脚本はすでに完成して、アライド・アイリッ
シュ銀行を資金源とするリライアント・ピクチャーズと6桁
($)半ばの契約が結ばれ、同社で製作が進められることに
なっている。また同社のトップからは、「『トロン』は時代
の先端を行くものだったが、この作品も時代の先端を捉えて
いる」として製作への抱負が語られていた。
 なお、リスバーガーは『トロン』以後も、1989年の『スリ
ップストリーム』などを監督しているが、その後に何本か書
き上げた脚本はいずれも実現に至らなかったようだ。また、
最近では『トロン2』の脚本も執筆し、この脚本では2003年
発売のビデオゲームは成功したものの、肝心の映画化はディ
ズニーが別の脚本で進めることを発表している。そしてその
監督に、前の記事のコジンスキーが決まったものだ。
 正直に言って、89年の作品は僕自身あまり評価はしていな

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09月15日(土)
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