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On the Production
by 井口健二
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■第141回
棒が高層マンションに挑むが…というものだったが、今回の
舞台はマイアミに移して、南国ムードに溢れた作品にすると
いうことだ。
なおサーキシアンは、個人資金で映画化権を獲得し、そこ
に協力者を募って映画化を進めているもので、すでに同じや
り方では、ジャン=ピエール・メルヴィル監督の1970年作品
“Le Cercle Rouge”(仁義)のリメイク権を獲得し、“The
Red Circle”としてジョニー・トー監督による撮影が10月か
ら開始予定になっている。この計画には、スタジオカナルが
製作に参加しているようだ。
また、この他に世界の料理を探訪するウィリアム・スタデ
ィアムとマーラ・ギブス著“Everybody Eats There: Inside
the World's Legendary Restaurants”の映画化権を獲得、
こちらはコメディとして映画化を目指すそうだ。
* *
『ラスト・サムライ』『ブラッド・ダイヤモンド』のエド
ワード・ズウィック監督が、パラマウント傘下のヴィンテー
ジの製作で今秋からの撮影を予定している“Defiance”に、
ダニエル・クレイグ、レイヴ・シュライバー、ジェイミー・
ベルの共演が発表された。
この作品は、第2次大戦中のナチス占領下のポーランドを
舞台に、収容所を脱走したユダヤ人3兄弟が、森林地帯に向
かって、そこに潜むロシア人のレジスタンス部隊に参加、他
のユダヤ人たちの救出を試みるというもので、物語は実話に
基づいているということだ。
この種の第2次大戦秘話というのは、これからも次々登場
しそうだが、ズウィック監督ということではかなりシヴィア
な作品になりそうだ。
なお、『父親たちの星条旗』などのベルは、ダグ・リーマ
ン監督のSF作品“Jumper”の撮影が完了しており、また、
タイトルロールを演じた“Hallam Foe”がエジンバラ映画祭
でプレミア上映されることになっている。
一方、クレイグは、年内に“Bond 22”の撮影が開始の予
定のはずだが、今回の計画はその前に終るということなのだ
ろうか。
* *
今回はいろいろな情報を紹介したが、後はSF/ファンタ
シー系の作品の紹介をやれるだけやっていこう。
ユニヴァーサルは、ジャック・ブラック主演向けの計画と
される“The Lost Adventures of Stone Perlmutter Jr.”
という脚本の権利を獲得、計画を進めることを発表した。
作品は、1979年頃に行われた冒険の記録映像が新発見され
た…という設定のもので、インディ・ジョーンズスタイルの
冒険家が、雪男や黄金郷、イエスの最後の墓などを探して世
界中を旅するドキュメンタリー?となっている。この冒険家
をブラックが演じることになりそうだ。
脚本は、コロムビアで進められている“Bronze God”とい
うコメディ作品も手掛けているピーター・ヒュイックとアレ
ックス・グレゴリー。ブラックは企画が目白押しだが、本作
は彼自身が主宰するユニヴァーサル傘下のプロダクション=
エレクトリック・ダイナマイトで進められるものだ。
* *
第130回で紹介した“Justice League of America”の映画
化が本格化しそうだという情報が流れている。
この計画に関しては、前回の情報はカーナン&マイクル・
マルローニが脚本を担当するというものだったが、その脚本
が7月に完成し、それを読んだワーナーの担当者が非常に気
に入って、一気に進める可能性が出てきたということだ。そ
してその監督に、『マッド・マックス』のジョージ・ミラー
の名前が挙がっているそうだ。
ミラーは、CGIアニメーションで手掛けた『ハッピー・
フィート』が、ワーナー配給で好成績を残したところで、次
を実写作品というのは判りやすい。それにしても、このペー
スで進むと公開は2009年の夏に間に合いそうで、一方、ブラ
イアン・シンガー監督の“Superman: Man of Steel”も同じ
時期の公開となるが、一度に2本のスーパーマンが登場する
かどうかというところだ。
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08月15日(水)
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