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On the Production
by 井口健二
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■第138回
メイクとなる訳で、とにかく早く完成を観たいものだ。
* *
『レミーのおいしいレストラン』が公開間近のピクサーの
今後の計画で、第131回で心配した2009年用に“Up”という
作品の計画が発表された。これで、2008年に公開が予定され
ている“Wall*E”、2010年公開予定の“Toy Story 3”の間
を繋ぐ作品が決定したものだ。
お話は、70歳男性の主人公が、自然保護レンジャーとチー
ムを組んで怪物や悪人と戦うというものだそうで、監督には
『モンスターズ・インク』を手掛けたピート・ドクターの起
用も発表された。Variety紙の記事では、「ピクサーの主人
公がちょっと年を取る」などと書かれていたが、『モンスタ
ーズ…』の主人公は、年齢不肖で何100歳でもおかしくはな
かった訳だし、少し年を取った登場人物のアニメーションが
あっても良い感じのものだ。
『レミー…』の上映には、短編の他に“Wall*E”の予告編
も併映されていて、毎年1本のペースは確実に守られること
になるようだが、ドリームワークスと同様、スケジュールを
守ることにはいろいろ苦労がありそうだ。
なお、ピクサー以外のディズニー・アニメーションでは、
来年は“American Dog”、2009年には“Frog Princess”と
いう作品が予定されている。この内の“Frog…”は、ディズ
ニーでは2004年以来となる手書きアニメーションで製作され
ているようだ。
* *
ピクサーに続いてはアードマンの情報で、第133回で報告
したようにドリームワークスとの契約を解消したアードマン
は、新たにソニーとの3年間の優先契約を結んだものだが、
その製作リストが報告された。
実はアードマンでは、昨年の段階で、元BBCでコメディ
番組部門の製作総指揮を担当していたサラ・スミスという人
物を製作担当者として招き入れており、彼女の人脈を通じて
イギリス放送界を中心に様々な人材がアードマンに結集しつ
つあるようだ。
そしてその第1陣として“Life on Mars”などを手掛ける
脚本家のマシュー・グラハムとアシュレイ・パーロウが契約
し、スティーヴ・ボックス監督と共に“The Cat Burglars”
という作品が準備されている。
この作品は、ボックスとニック・パークが先に公表してい
た『ウォレスとグルミット』の新作長編となるもので、この
新作では、ミルクを盗もうとする猫グループとウォレスたち
の闘いが描かれることになる。そしてこの作品に関しては、
『オーシャンズ11』のようなクールなスタイルで、「ご家庭
向きのタランティーノ」を目指すという発表もされている。
また、アードマンの共同創設者ピーター・ロードからは、
2000年の『チキン・ラン』以来の監督に復帰する計画も発表
された。こちらはギデオン・デフォー原作の“Pirates”と
いうシリーズを映画化するもので、この脚色には、原作者の
デフォーと共に、“Hyperdrive”というコメディシリーズや
アニメシリーズの“Slacker Cats”を手掛けるアンディ・ラ
イリーとケヴィン・セシルの脚本家コンビの参加も発表され
ている。
さらに、『ボラット』の脚本家の1人のピーター・バイン
ハムによる“Operation Rudolph”という計画も進められて
いる。この作品は、北極の基地からクリスマスの1夜にして
世界中にプレゼントを届けるためのサンタクロース率いる超
ハイテク部隊の作戦行動を描くというもので、大アクション
作品になるということだ。
その他、ニック・パーク監督の『ウォレス…』以外の作品
の計画も発表されており、ドリームワークスとの契約解消を
バネに、アードマンは新たな領域に踏み出そうとしているよ
うだ。後は、ソニーがこれをどこまで支援できるか…という
ことになりそうだが。
* *
『ソウ』シリーズを手掛けるツイステッド・ピクチャーズ
が、往年のRKO映画の中から4本のジャンル映画のリメイ
ク権を獲得したことを発表した。
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07月01日(日)
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