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On the Production
by 井口健二
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■第136回
ティスから、フランク・シャツィング原作でベストセラーを
記録した“The Swarm”という作品の映画化を、ドイツの製
作チームと進めることが発表された。
この作品は、大洋底に密かに暮らしていた異星人が、人類
による汚染で環境システムが崩壊した後に、人類を抹消する
計画を進めていることが明らかになるというもの。そしてそ
れを回避するための科学者の奮闘が描かれるというお話で、
製作者たちは、『デイ・アフター・トゥモロー』のスケール
の映画化を目指すとしている。脚本は、『羊たちの沈黙』で
オスカー受賞のテッド・タリーが担当する。
“The Swarm”という題名では、1978年にアーウィン・ア
レンの監督で、殺人蜂が登場するオールスターキャストによ
るディザスター映画(邦題:スウォーム)が製作されている
が、今回の計画とのつながりはなさそうだ。従って、今回の
計画で題名の使用がどうなるかは不明だが、今回は同じ題名
の原作がベストセラーということでは、多少問題になりそう
だ。もっともアレン作品の評価はかなり低いので、下手にこ
の題名を使わない方が良いような気もするが。
* *
それから“Barbarella”の続報で、監督をロベルト・ロド
リゲスが担当して、2008年にユニヴァーサル配給で公開する
ことが発表された。以前の紹介では、別の監督で脚本とキャ
スティングが決まってから配給会社を選ぶとしていたが、ロ
ドリゲス監督の決定で、一気に配給会社まで決まってしまっ
たようだ。
因にロドリゲスは、「僕はこのキャラクターが昔から好き
だった。このキャラクターと彼女の活躍する宇宙を、新しい
観客たちに紹介するチャンスを貰えたことに、本当に興奮し
ている」と抱負を述べている。
ただし、デ=ラウレンティス側は、モロッコに買収した撮
影所でこの作品の準備を進めていたはずだが、ロドリゲスは
テキサス州オースティンに自前の撮影所を持っていて、最近
はそこで製作を続けているもので、その辺の調整がどうなる
か、今後がちょっと気になるところだ。
* *
次もディザスター映画なのかな…パラマウントとニッケル
オディオンで、“2012”という計画が進められている。
この作品は、マヤの古代の暦では2012年12月21日以降の記
載がないという「事実」に基づいて考えられたもので、アメ
リカでは、実際この日で世界が終わるとして終末論を唱える
人たちもいるということだ。そして物語は、2012年の12月に
ヴァケーションに出掛けた一家が、世界の終わりを思わせる
数々の出来事に遭遇するというもの。『ノストラダモスの大
予言』のようなことになるようだ。
映画化は、『シャンハイ・ヌーン』などのトム・デイ監督
が、先に発表した“Failure to Launch”の脚本家コンビ=
トム・アステル、マット・エムバーと再び組んで進めている
もので、デイ監督としては別の作品の企画が出てくる前にこ
の作品に取り掛かりたいとしている。
因に、アステルとエムバーのコンビは、ワーナーで製作中
の“Get Smart”の脚本も手掛けており、さらにワーナーで
プレプロダクションが進んでいるDVD用のスピンオフ企画
“Get Smarter: Bruce and Lloyd Out of Control”の脚本
も担当しているそうだ。
* *
次は、若年向けのファンタシーの情報で、ワーナーから、
“Skulduggery Pleasant”という新しいシリーズの映画化権
を契約したことが発表された。
この作品は、デレク・ランディという、以前はホラー映画
の脚本家だったされるアイルランド人の新人作家のデビュー
作で、この後には全9巻のシリーズ化が計画されているとい
うことだ。
お話は、現代のダブリンを舞台に、頭蓋骨の研究家とその
若い女性のアシスタントが、その研究で判明したFaceless
Onesと呼ばれる悪魔の復活を阻止しようとするもの。この設
定には、ハリー・ポッターと「名前を呼んではいけない人」
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06月01日(金)
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