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On the Production
by 井口健二
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■第135回
 という事態にやる気を無くしたのかどうかは知らないが、
今度はヴァイナ+カサールが“Terminator”の全権利をハル
シオンという会社に売却したことが発表された。因に、この
ハルシオン社は、ヴィクター・クビセックとデレク・アンダ
ースンという起業家によって設立されたもので、先にHBO
のコメディフェスティバルで上映された“Cook-Off!”とい
う作品の製作実績はあるようだ。
 ただし、今回『T4』の製作に当っては、実は前インター
メディア社のCEOで、『T3』の製作にも関わったモリッ
ツ・バーマンと、ポリグラム社のマーケティング担当だった
ピーター・D・グレイヴスの2人が参加しており、この2人
の差し金で買収が行われたと考えるのが正しそうだ。
 ということで、第4作は新体制で製作が進められることに
なったものだが、監督や出演者は未定とされているものの、
脚本は『T3』を手掛けたジョン・ブラカトーとマイクル・
フェリスのものが執筆されており、それを基に進められるよ
うだ。また、バーマンからは、「『T3』の製作の際に、数
多くの後に続く物語の種を仕掛けておいた。物語はジョン・
コナーとターミネーターの、人類の未来を掛けた冒険となる
が、これは新たな3部作として製作される」との発表も行わ
れている。
 因に、『T4』の製作は2009年夏の公開を目指して進めら
れることになっており、配給に関してはMGMと日本の東宝
東和が優先権を持っているようだ。
        *         *
 第119回で紹介した“The Alchemyst: The Secrets of the
Immortal Nicholas Flamel”の原作者マイクル・スコットが
新たに提示した15ページの小説の概要に対して、その映画化
権の契約が6桁($)の金額で結ばれたことが報告された。
 この作品は、題名が“Otherworld”とされているもので、
内容は、地球温暖化の影響で古代の魔物が次々に甦ってくる
という現代を背景にしたファンタシー。そしてその契約を結
んだのは、第105回で紹介したギレルモ・デル=トロ監督の
“Killing on Carnival Row”なども手掛けている製作者の
アーノルド&アン・コペルスン。なお今回の契約金は、原作
者による脚本の執筆料も込みということなので、金額的には
特に高額ということではないものだが、実は製作を担当する
映画会社は未だ決まっていないもので、コペルスンは独自の
資金で契約を行っているとのことだ。
 因にコペルスンは、今年3月にも“The Alchemy Papers”
というエジソンが錬金術を発明していたという仮説に基づく
ファンタシーの脚本を契約しており、ファンタシー系の作品
ばかり契約しているということでは、ちょっと気になる製作
者になりそうだ。
 一方、製作者のマーク・バーネットが映画化権を契約した
“The Alchemyst”に関しては、その後、ニューラインでの
製作が決定し、2005年3月に紹介した『バタフライ・エフェ
クト』で共同脚本と共同監督を務めたエリック・ブレスが脚
色を担当することが発表されている。そろそろ映画製作の準
備も進み始めているようだ。
        *         *
 久しぶりの“Mr.Bean's Holiday”が世界各国でスマッシ
ュヒットを記録しているローワン・アトキンスンが、次回作
でチャールズ・ディケンズの古典に挑む計画が発表された。
 計画されているのは“David Copperfield”。最近は『プ
レステージ』にも協力しているマジシャンの方が有名になっ
てしまったが、元々は『オリヴァ・ツイスト』と並ぶ若者を
主人公にした冒険物語で、この原作からは1935年にジョージ
・クーカー監督によるハリウッド製オールスター映画も作ら
れている。しかし、その後はテレビ化は多数されているもの
の、映画としての製作はなかったのだそうだ。
 その計画を進めているのは、アトキンスンとは2003年8月
に紹介した『ジョニー・イングリッシュ』でも組んだことの
ある監督のピーター・ハウィット。元々は1998年にデビュー

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05月15日(火)
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