ID:47635
On the Production
by 井口健二
[460322hit]

■第134回
が所有していて、現在共にソニー傘下の兄弟会社の関係にあ
るコロムビアとの関係も良いという状況もあった。
 しかし、2011年の“Spider-Man”シリーズ再開となると、
同じく3部作の計画されている“The Hobbit”はスケジュー
ル的に難しくなるもので、ライミ監督には、もっと小規模な
作品の可能性はあるものの、ちょっと“The Hobbit”までは
手が回らなくなりそうだ。後は監督の判断次第だが、どう結
論が出ることになりますか…。因に監督は、「このシリーズ
(Spider-Man)を離れるのは、自分にとって非常に辛いこと
だ」と発言しているそうだ。
 また、関連の情報でマーヴル社からは、“Spider-Man”を
ミュージカル化して、ブロードウェイに懸ける計画を進めて
いることも発表された。
 発表によるとブロードウェイ版は、トニー賞受賞の『ライ
オン・キング』のミュージカル版や、映画では『タイタス』
『フリーダ』などを手掛けたジュリー・テイモアが演出を担
当し、U2のボノが作詞作曲を手掛けるというもの。上演の
時期などは未定だが、今年の夏にオーディションを開始する
としている。
 映画ではCGIで再現されたシーンをどのように実演で表
現するか、ワイアエフェクトが多用される作品にはなりそう
だが、一体どのように完成されるか楽しみだ。それに原作の
物語では、MJはブロードウェイスターを目指しているもの
だが、それがその舞台で演じられるのも面白いところだ。
        *         *
 この夏公開される“Harry Potter and the Order of the
Phoenix”で、Imaxでの同時上映が行われ、その中の約20分
を3D化することが発表された。
 このImaxによるパート3Dは、昨年の『スーパーマン・リ
ターンズ』でも行われたものだが、全米の公開ではImaxだけ
で3100万ドルの興行成績を上げたとのことで、今年は『ハリ
ー・ポッター』でそれが行われることになったものだ。
 因に、Imaxでのハリウッド作品の3D化上映では、2004年
の『ポーラー・エクスプレス』が大成功を納めた他、『アン
ト・ブリー』『オープン・シーズン』などのアニメーション
作品では全編の3D化が行われている。一方、実写作品の場
合は、一般公開との同時封切りを目指すと、映画の完成から
公開までの短期間での全編の3D化は困難で、20分程度が限
界とされる。
 しかし昨年は、アニメーションの『ハッピー・フィート』
の3D化が間に合わず、その公開が断念されたことが、Imax
社全体の業績不振に繋がったとも言われ、今年は『ハリー・
ポッター』のパート3Dで、その巻き返しを図ることになる
ようだ。因にImaxでは、全米は『300』に続いて、『スパ
イダーマン3』の上映も予定されているが、これらはラージ
フォーマットではあるが2Dで上映されるものだ。
 ハリウッド作品の3D上映では、後発のドルビーリアルD
が公開規模や作品数で着々とリードを広げており、Imaxは、
以前からの実績でワーナーとの協力体制は得られているもの
の、その前途は多難なようだ。
        *         *
 2005年10月の第96回と第104回でも紹介したファンタシー
“Bridge to Terabithia”が先に行われた全米公開で8100万
ドルを記録、海外でも2700万ドルと、合計では1億ドル突破
となっているガボール・クスポ監督が、同作に出演のアナソ
フィア・ロブを主演に起用して、さらに2作品の監督計画を
発表した。
 その1本目は、“The Moon Princess”と題されているも
ので、1946年にエリザベス・グージが発表した“The Little
White Horse”という児童向け作品を映画化するもの。内容
は、13歳の少女による魔法世界での冒険を描くもので、そこ
で彼女は古代の呪いと闘うことになるようだ。撮影は夏に開
始の予定で、少女のエキセントリックな叔父さん役をコリン
・ファースが演じることになっている。
 また、2本目は“The White Giraffe”という作品で、ロ
ーレン・セントジョンという作家の、イギリスでは昨年8月

[5]続きを読む

05月01日(火)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る