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On the Production
by 井口健二
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■第133回
        *         *
 『もしも昨日が選べたら』などのアダム・サンドラーが、
ディズニーで進められているアダム・シャンクマン監督によ
るファミリーコメディに主演することが発表された。
 “Bedtime Stories”と題されたこの作品は、サンドラー
扮するしつこいことだけが取り得の不動産営業マンの主人公
が、甥と姪にいい加減なベッドタイムストーリーを語って聞
かせたところ、それが現実となって、彼の生活が真っ逆様に
なってしまうというもの。マット・ロペスのオリジナル脚本
を、今年の初めにディズニーとシャンクマンが契約し、その
計画にサンドラーが参加するものだ。
 なお、サンドラーは1998年『ウォーターボーイ』に主演し
ているが、この作品はタッチストーンの名義だったもので、
ディズニー本家の作品に出演するのは初のようだ。
 またシャンクマン監督は、現在は7月20日の公開に向けて
ニューライン製作のミュージカル作品“Hairspray”のポス
トプロダクションを行っている最中で、本作はそれが完了し
てから今年後半の撮影予定になっている。
 サンドラーもシャンクマンも、アメリカではヒット作を連
発するコメディの名手だが、その2人が組むとどうなるか、
アダム+アダムのコンビネーションにも期待したい。
        *         *
 またまたレオナルド・ディカプリオの主演作の計画が発表
された。
 今回の作品は“Body of Lies”という題名で、昨年3月に
ワシントンポスト紙コラムニストのデイヴィッド・イグナチ
ウスが公表し、当時は“Penetration”の題名で呼ばれてい
た原作をワーナーが契約。『ディパーテッド』のウィリアム
・モナハンの脚色、リドリー・スコット監督で進められると
いうものだ。
 物語は、中東のヨルダンを舞台に、元ジャーナリストから
CIAのエージェントに転職したという主人公が、地元の諜
報機関のチーフと共にアメリカ攻撃を狙うアル・カイダの幹
部を追うというもの。物語の背景が9/11の前か後かで、意
味合いがかなり違ってきそうだが、中東が舞台のスパイもの
では、2005年の『シリアナ』などもあって注目度も高く、そ
こにスコットの監督なら面白くなりそうだ。
 なおスコットとモナハンは、先に発表された『キングダム
・オブ・ヘブン』と、まだ映画化されていない“Tripoli”
という中東が舞台の作品も進めており、本作はその流れの中
の作品とのことだ。そしてスコット監督は、すでにモロッコ
で撮影地のスカウウティングを進めているとのことで、それ
が進むと実現はかなり早くなりそうだ。撮影は、ヨーロッパ
やワシントンDCでも予定されている。
 一方、前回紹介したサム・メンデス監督作品は、撮影が早
まって4月開始になることが発表されており、そのスケジュ
ールなら、ディカプリオが秋以降にスコット作品に入ること
は、問題なさそうだ。ディカプリオも次々問題作に出演する
注目の俳優になってきたものだ。
        *         *
 第109回で紹介したスティーヴン・キングの息子ジョー・
ヒルが発表した長編小説“Heart-Shaped Box”の映画化を、
『クライング・ゲーム』のニール・ジョーダンの脚色と監督
で進めることが発表された。
 この原作は、以前に紹介したように、歌手の主人公がeBay
で幽霊を購入してしまい、彼自身の過去にまつわる幽霊と悪
魔の攻撃に晒されるというお話。実は以前の紹介の当時は、
短い概要と最初の山場の文章だけが公開され、それに製作者
のアキヴァ・ゴールズマンとワーナートップのケヴィン・マ
コーミックが注目して映画化権が契約されたものだ。また、
その後に完成された小説は今年2月に出版されたようだ。
 一方、ジョーダン監督は、1996年『マイケル・コリンズ』
などIRAを描いた社会的な作品が代表作に挙げられるが、
元はと言えば『狼の血族』など幻想的な作品も得意としてい
たもので、その点では今回の様な内容の作品も問題はなさそ

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04月15日(日)
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