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On the Production
by 井口健二
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■ゾディアック、インビジブル・W、ジェイムズ聖地へ…、寂しい時は…、毛皮のエロス、鉄板英雄伝説、ストレンジャー・C、ボラット
ディというものだ。
材料にされるのは、主に『ナルニア国物語』と『チャーリー
とチョコレート工場』だが、これに『パイレーツ・オブ・カ
リビアン』から『ボラット』まで、あらゆるパロディが所狭
しと登場する。
アメリカでは公開第1週に第1位を記録したそうだ。しかし
正直なところは、日本人の感覚とはかなり違う部分もある。
でもまあ、馬鹿馬鹿しいのは馬鹿馬鹿しいなりに楽しめば良
いもので、ただ笑って済ましてしまえばそれで良いのだろう
という感じもする。
それに、例えば巻頭に登場する『ダヴィンチ・コード』のパ
ロディでは、それなりに納得して笑ってしまったところもあ
った。
また、本作では、音楽やダンスシーンにはいろいろと気に入
ったところもあったもので、特に『チャーリー…』の工場内
のシーンでは、本物の小さい俳優たちの大量動員で、音楽も
含めてなかなかのものだった。
物語は、世界各所にいた4人の孤児が、チョコレートに同封
されたゴールデンティケットを手に入れチョコレート工場を
訪れる。が、そこには大きな洋服ダンスがあって…となる。
因に、訪れる国はGnarniaというところで、発音は最初のG
はサイレントだそうだ。
それにしても、ここに登場するのは基本的にアメリカでの大
ヒット作となる訳だが、そんな中に、『もしも昨日が選べた
ら』が比較的重要なポイントで登場すると、日本とアメリカ
のヒットの違いを感じてしまう。そんなことを考えられるの
も、面白い作品だった。
なお、ジョニー・デップの2つの役柄は、海賊には『サタデ
ー・ナイト・ライヴ』のダレル・ハモンドが扮し、ウィリー
・ウォンカを『チャーリーズ・エンジェル』などの怪優クリ
スピン・グローヴァーが演じている。
『ストレンジャー・コール』“When a Stranger Calls”
1978年に公開された同名ホラー作品のリメイク。物語は、ベ
ビーシッターを頼まれた女性の許に、謎の電話が掛かってく
るというものだが、オリジナルの公開当時とでは電話の状況
が大幅に変化しており、その変化を巧妙に捉えた作品とも言
えそうだ。
主人公のジルは女子高生だが、携帯は使い過ぎで両親に取り
上げられてしまい、さらに学校で篝火の祭りが開かれる日の
夜にベビーシッターを命じられてしまう。でもそれは仕方が
ないと納得のジルは、父親運転の車でその家に向かう。
その家は医師が所有するもので、郊外の湖に面して建つ豪邸
だった。そしてセキュリティも万全なその家では、風邪をひ
いた子供たちはすでに子供部屋で休んでおり、そのままなら
静かな夜が過ごせるはずだったが…そこに、謎めいた電話が
掛かってくる。
監督は、『トゥームレイダー』や『コン・エアー』、それに
『将軍の娘』のサイモン・ウェスト。それぞれスター俳優を
相手に大作をものにしてきた監督に、1時間27分の本作はも
ったいない感じもしたが、さすがにきっちりと決めてきてく
れた作品だ。
しかも、脚本の上手さもあるのだろうが、それぞれのシーン
が緻密に作られているのも魅力的で、特に前半ではただのい
たずら電話と思っていたものが、徐々に深刻な状況に変化し
て行く展開の良さにも納得した。
また、プロローグで前の事件が紹介され、観客は状況を予め
知っているものだが、それでも主人公の行動が納得できるよ
うに描かれているのだから、その脚本はかなりのものだ。こ
の脚本はジェイク・ウェイド・ウォールという新人が手掛け
たが、早くも次回作も決定しているとのことだ。
主演は、1998年スティーヴン・セガール主演『沈黙の陰謀』
でセガールの娘を演じていたカミーラ・ベル。他に、『ジュ
ラシックパーク2』や『リトル・プリンセス』などにも出て
いるようだが、本作ではほとんどのシーンが出突っ張りとい
う唯一無二のヒロインを見事に演じている。
『ボラット』“Borat”
すでに映画公開されたアリ・Gのキャラクターでも知られる
サシャ・バロン・コーエンが、自身のテレビ番組“Da Ali G
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04月10日(火)
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