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On the Production
by 井口健二
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■ボビ−、恋愛睡眠のすすめ、恋しくて、鉄人28号、かちこみ!、モンゴリアン・ピンポン、ポイント45、忍者
原題の通り、ただ緑の草地が広がる内モンゴル自治区の草原
地帯。主人公のビリグは、そんな草原の一角に建つパオで、
両親と姉と祖母と共に暮らしていた。
ビリグには、同年代のダワーとエルグォートゥーという仲間
がいて、それぞれ馬やバイクで草原を我が庭のように遊び回
っていた。そんなビリグが、ある日、川に水を汲みに行った
とき、川上から流れてきたらしい1個の白い球を見つける。
それは軽くて、中には何も入っていない球だったが、大人に
見せてもそれが何だか誰も判らない。ただお祖母ちゃんは、
川上に住む神様の宝だと教えてくれるのだが…そんな1個の
ピンポン球を巡って、就学直前の男の子の冒険が始まる。
そのピンポン球が原因で、親に心配を掛けてしまったり、年
上の連中から嫌がらせをされたり、とにかくいろいろな出来
事が起きてくる。そんないろいろな出来事が、広大な草原の
中のゆったりとしたリズムで描かれて行く。
「ゆったりとしたリズム」とは書いたが、この手の作品でよ
くある鈍いテンポと言うのではない。実際映画は、いろいろ
なエピソードが次々に起こるのでテンポは速いのだが、何と
言うか見ていて心が休まるような「ゆったりとしたリズム」
なのだ。
監督のニン・ハオは、中国・山西省の出身で内モンゴルの人
ではないようだ。その監督もこの雰囲気に憧れて作品を作っ
たということで、そんな外から見ている雰囲気が、同じく部
外者である観客にも、ちょうど良い感じで共感されるのかも
知れない。
巻頭と最後には、モンゴル特有のホーミィが流れ、全体的に
ヒーリングという言葉が合うような作品にもなっている。
しかし内容的には、そろそろ定住を考えているらしい父親の
姿や、主人公の成長の様子などが上手く捉えられており、映
画作品としてのレヴェルはかなり高いと言えるものだ。
因に監督は、この後の作品ではアンディ・ラウが提唱した新
人監督育成プロジェクトFOCUS: First Cutsの支援を受け、
現在は、ハリウッドのエージェントと契約して国際的に活躍
の場を広げているそうだ。
『ポイント45』“.45”
『バイオハザード』シリーズのミラ・ジョヴォヴィッチ主演
で、ドメスティック・ヴァイオレンスを扱ったドラマ。
舞台はニューヨークのヘルズキッチン。吹き溜りのようなこ
の街で、ミラ扮するキャットは、故買屋のアルと共に暮らし
ていた。アルは何かというと暴力に訴えるタイプで、周囲か
らも良くは思われていないが、それに楯突く危険を犯すよう
な奴もいなかった。
キャットも、実は「彼のアレがすごく大きいの」と言うこと
で、腐れ縁のように離れることができない。その彼女には、
海辺に家を建てて住みたいという夢があるが、ほとんどその
日暮らしの故買屋の生活では、それは夢でしかなかった。
そんな中で彼女は、アルに隠れて商売を少し広げようとして
いたが、それがばれたとき、アルの激しい暴力がキャットを
襲う。そしてその惨状をを見かねたキャットの友人たちが、
ソーシャルワーカーに助けを求めるが…
日本公開ではR−15指定を受けている作品で、以前だったら
ぼかしが入ったはずの際どい場面や、暴力シーンもかなり激
しく描写されている。そういう映画ではあるが、かと言って
興味本位だけで作られているかと言うと、そうでもないよう
に見えてくる。
実際、スペシャルメイクはあっても、VFXは一切なしのジ
ョヴォヴィッチの体当たりの演技は、程度の差はあるかも知
れないが、こういうことが現実に起きているということ訴え
ているようにも見えてくるものだ。
人気シリーズとはちょっと違ったジョヴォヴィッチが楽しめ
る作品。結末は多少甘いようにも感じられるが、そこは娯楽
作品だから、これで良いのだと言うところだろう。
共演は、アル役に『ソウ3』のアンガス・マクファーデンの
他、『ブレイド』のスティーヴン・ドーフ、『サンタクロー
ズ3』のアイーシャ・タイラー、『サイレントノイズ』のサ
ラ・ストレンジ。
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02月10日(土)
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