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On the Production
by 井口健二
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■第129回
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※このページは、キネマ旬報誌で連載中のワールドニュー※
※スを基に、いろいろな情報を追加して掲載しています。※
※キネ旬の記事も併せてお読みください。       ※
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 まずは、前々回候補を紹介したVESAwardsの受賞作の報
告から。
 2月11日に発表された受賞作は、まずVFX主導の映画に
おけるVFX賞が“Pirates of the Caribbean: Dead Man's
Chest”、VFX主導でない映画におけるVFX賞は“Flags
of Our Fathers”、単独のVFX賞は“Pirates…”で対象
はFlying Dutchman号のシーンだそうだ。
 また、実写映画におけるアニメーションキャラクター賞は
“Pirates…”のデイヴィ・ジョーンズ、アニメーション映
画におけるキャラクター賞は“Cars”のメーター。さらに背
景賞、ミニチュア賞、合成賞はすべて“Pirates…”が受賞
作で、特殊効果賞は“Casino Royale”となった。
 結局、“Pirates…”が6冠に輝き、候補になった部門は
全部受賞しているものだが、ヒットの具合から観てもこれは
順当なところだろう。その中では唯一特殊効果賞の“Casino
Royale”が一矢報いたとも言えそうだが、元々この部門には
“Pirates…”が候補になっていないのだから仕方がない。
ただし、ここでの特殊効果の定義も良く判ないところで、多
少釈然としない感じは残るものだが。
 なお、映画以外の各VFX賞は、TVムーヴィ/ミニシリ
ーズが“Nightmares and Dreamscapes”、テレビシリーズは
“Battlestar Galactica”、VFX主導でないテレビシリー
ズは“ER”、コマーシャルが“Travelers”、ミュージック
ヴィデオは“U2 and Green Day”、ヴィデオゲームはPS3
用の“Fight Night Round 3”等となっていた。
 また、元ILMの大ベテラン、デニス・ミューレンが長年
の業績に対して贈られるジョルジュ・メリエス賞を受賞し、
そのプレゼンターにジョージ・ルーカスが登場したそうだ。
        *         *
 以下は、製作ニュースを紹介しよう。
 『ハンニバル・レクター』シリーズの最新作にして殺人鬼
の生い立ちを描いた“Hannibal Rising”の全米公開が2月
9日に始まった製作者のディノ・デ=ラウレンティスから、
次々に新たな計画が発表されている。
 それによると、まず“…Rising”はパリに本拠を置く出資
者と結ばれた3本の契約に基づく第1作なのだそうで、この
後には、コリン・ファースとベン・キングズレー主演でロー
マ時代を背景にした歴史物の“The Last Legion”と、ヘイ
デン・クリスチャンセンの主演で、ヨーロッパにペストが蔓
延していた頃のイタリアを舞台にしたロマンティック・アド
ヴェンチャーの“Virgin Territory”という作品が、すでに
撮影完了。この3本に対しては、合計で1億6000万ドルの製
作費が投入されたとのことだ。
 一方、ディノはモロッコにあるCLAという撮影所の一部
を買収したそうで、ここでは当初バズ・ラーマン監督による
“Alexander the Great”を撮影する予定だったが、現在は
そのスタジオで“…Rising”のピーター・ウェバー監督によ
る“Barbarella”のリメイクを検討しているようだ。1968年
にロジェ・ヴァディムの監督、ジェーン・フォンダ主演で映
画化されたフランス製コミックからのリメイクは、一時はド
リュー・バリモアが主演を熱望していたものだが、そちらの
計画はどうなったのだろうか。因にディノは、この作品を、
「大宇宙を舞台にした女性版ジェームズ・ボンド」と位置づ
けているようで、この発言からはシリーズ化もありそうだ。
 さらに、ラーマン監督による“Alexander”の計画もまだ
継続して話し合われており、この他、殺人クジラが登場する
題未定の海洋パニックの脚本が3月に上がってくるそうだ。
 なお、大作映画を製作し続けることについて、ディノは、
「多くの映画製作者は、映画製作のために一番重要なのは、

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02月15日(木)
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