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On the Production
by 井口健二
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■ヘンダーソン夫人の贈り物、ハヴァナイスデー、家門の危機、出口のない海、武士の一分、敬愛なるベートーヴェン、ダンジョン&ドラゴン2
難聴となりながらも「交響曲第9番」を完成させたベートー
ヴェンの晩年を描いた作品。
「交響曲第9番」の初演を4日後に控えた日。作曲家はまだ
合唱の譜面を完成させていなかった。この事態に音楽出版社
は、作曲家の許で写譜を行わせるため音楽学校に最優秀の生
徒の派遣を依頼する。そしてやって来たのは、うら若き女性
アナ・ホルツだった。
気難しい作曲家の許に若い女性を送ることには危惧もあった
が、彼女はベートーヴェンの名前に目を輝かせる。こうして
ベートーヴェンの許で写譜の仕事を始めたホルツは、素晴ら
しい才能を発揮して作曲家を助けて行くことになる。
ベートーヴェンの生涯を描いた伝記映画は過去にも作られて
いると思うが、この作品は、作曲家の最晩年、「交響曲第9
番<合唱付き>」の完成から、最後の作品「大フーガ」の作
曲とその初演までを中心に描かれる。
物語の主人公でもある女性の存在が実話であるかどうかは知
らないが、映画のハイライトは、彼女との二人三脚で「交響
曲第9番」の初演の指揮をやり遂げる演奏会のシーンで、演
奏後の有名なエピソードも感動的に再現されているものだ。
資料によると、このシーンのサウンドトラックには1996年の
アムステルダムの楽団による録音が使われているが、映像は
作曲家に扮したエド・ハリスの指揮に従い、55人の管弦楽団
と60人の合唱団が実際に演奏を行い撮影したものだそうだ。
このためハリスは、撮影前に何ヶ月も掛けてピアノ、ヴァイ
オリン、そして指揮の勉強をし、実際の撮影でも見事に最後
までタクトを振り、演奏家たちもそれに合わせて演奏を続け
たと紹介されていた。
しかしそれでは、音源と映像が合うはずがないものだが、エ
ンドクレジットによると、ここにはCGIによるリップシン
クが行われたということで、VFXというのはこういうこと
にも使われるようになったのかと感心してしまった。
物語は、「交響曲第9番」の成功から「大フーガ」の失敗に
至る栄光と挫折を描いているが、その展開自体はあまり重く
せず、むしろ軽めに描いている。その分気軽に楽しめる作品
とも言えそうだ。それに「エリーゼのために」を含む数々の
楽曲が聞けるの楽しいものだ。
共演はダイアン・クルガー。彼女も、音楽や指揮の勉強を積
んで撮影に臨んだということだが、如何にもドイツ人女性と
いう雰囲気が良い感じだった。ただし、台詞はすべて英語の
作品となっている。
『ダンジョン&ドラゴン2』
“Dungeons & Dragons: The Elemental Might”
1974年に発売された元祖RPGとも呼ばれる同名のゲームか
ら映画化された作品。2000年にアクション専門のジョール・
シルヴァ製作、ジェレミー・アイアンズ主演による第1作が
作られ、その第2作が5年ぶりに作られたものだ。
実は、その第1作は見逃してしまったのだが、ガイドブック
などであまり芳しい評価は受けていない。従って、今回はあ
まり期待しないで見に行ったのだが、確かに一級品と言う程
のものではないが、それなりに楽しませてくれる作品にはな
っていた。
ついでに言うと僕はオリジナルのゲームについても知らない
のだが、「ドラクエ」程度の知識で見ていてもニヤリとする
感じだし、プレス資料にはゲームの日本版翻訳者の人が寄稿
していたが、ゲームを知っているとさらに楽しめる仕掛けも
いろいろあるようだ。
結局のところ、この手のゲームは設定がかなり完成されてい
るから、映画化ではそれをうまく利用すればいいものだが、
映画製作者はなかなかそれをしてくれない。第1作の失敗は
そこらにあったようだが、今回はその轍は踏まなかったとい
うことのようだ。
物語は、魔法が機能している中世の時代。前作で破れた前宰
相ダモダールがとあるオーブを手に入れ、復讐に燃えて復活
するところから始まる。しかしそれは、3000年前に山に封じ
られたドラゴンをも呼び覚ますことになる。
そのドラゴンの復活を察知した現宰相ベレクは、それぞれ特
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09月20日(水)
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