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On the Production
by 井口健二
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■イルマーレ、ディア・ピョンヤン、パイレーツ・オブ・カリビアン2、マスター・オブ・サンダー、天軍、スーパーマン・リターンズ
もちろん、『戦国…』には1979年の映画化もあるから、そこ
からインスパイアされた可能性も否定はできないが、この作
品では南北朝鮮の問題を踏まえ、さらに李舜臣という人物を
配することで、見事にオリジナルな物語を作り上げている。
それどころかこの作品には、半村原作の真髄とも言える歴史
的事実との関りが、ちゃんと描かれているものだ。
前にも書いたと思うが、半村の『戦国…』の原作では、最後
に主人公が自分たちのタイムスリップをした理由に気付くと
いう見事にSFマインドを発揮するエピソードがある。しか
し過去2度の日本での映画化では、その点が完璧に無視され
ていた。
ところがこの作品は、ある意味でそれを描いているとも言え
るものなのだ。映画はその他のいろいろな要素も複合してい
るので、その点が明確に描かれているものではないが、少な
くとも日本での映画化よりは正しくSFマインドを持った作
品と言えるのだ。
しかもそれが、重大な歴史的事実につながっているという感
覚は、見事に半村の描いた物語に通底するものだ。もちろん
それは剽窃などと言うものではなく、逆にSFが判っていれ
ばこうなるはずのものなのだが、日本映画では何故かそうは
ならなかった。
韓国版『戦国…』などと呼ぶことが失礼であることは重々承
知の上で、僕は敢えてこの作品を『戦国…』の正統な後継者
と呼びたい。ジャンル名などとほざく輩の作品よりずっとま
ともな作品だし、間違いなくSF映画と呼べる作品だ。
『スーパーマン・リターンズ』“Superman Returns”
1978年と81年に、故クリストファー・リーヴの主演で製作公
開された『スーパーマン』の復活編。なお、前のシリーズで
は1983年と87年にも作品が作られているが、今回の復活では
その2作は完全に無視されている。
物語は、『スーパーマン2』でクリプトン星の3悪人との戦
いに勝利したスーパーマンが、その後の5年間、故郷を訪ね
る宇宙の旅に出たという設定で始まる。そして再び隕石と共
にカンザスのケント農場に飛来するのだが…
その頃、宿敵レックス・ルーサーは、仮釈放の審査法廷に検
察側証人のスーパーマンが出席しなかっために仮釈放を認め
られ、老未亡人(往年のテレビシリーズでロイス・レーンを
演じたノエル・ニールが扮している)に取り入ってその資産
をせしめようとしていた。そしてスーパーマンの秘密基地を
訪れたルーサーは…
一方、デイリー・プラネット社に復帰したクラーク・ケント
は、そこでロイス・レーンがホワイト編集長の甥と婚約し、
彼女には5歳の息子がいることを知る。そして、再び現れた
スーパーマンにロイスは、もはや世界は英雄を必要としてい
ないと告げる。
この物語に、スペースシャトルの発射や、ジャンボジェット
の墜落に始まる世界中に拡がる危機を迎えて、スーパーマン
の獅子奮迅の活躍が描かれる。
スーパーマンの5年間の不在期間というのが、ちょうど前の
シリーズの後半2作の製作期間に重なる寸法だ。今回の復活
編は、そこまでして物語を原点に戻し、もう一度レックス・
ルーサーとの対決を描き直そうとしている。
そしてそのルーサー役は、オスカーを2度受賞のケヴィン・
スペイシーが演じ、コミカルな仕種の中にも心底から冷酷な
悪人像を存分に描き出している。
一方、スーパーマン役には、新人のブランドン・ラウスが扮
している。彼は以前にテレビ出演はあるようだが、映画では
真っ新の新人ということだ。
身長190cm、体重100kgの体型が起用の理由ということだが、
元々はテレビシリーズ化の時のオーディションの応募テープ
が残っていて、そこから見出されたさというのは良くできた
話だ。なお、本人がアメリカ中西部の出身だということも決
め手になったようだ。
この他、ロイス・レーン役には、スペイシー監督主演の『ビ
ヨンドtheシー』で共演したケイト・ボスワース、ホワイト
編集長役にはフランク・ランジェラ、その甥のリチャード役
に『X−メン』でサイクロプスのジェイムズ・マーズデン。
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07月14日(金)
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