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On the Production
by 井口健二
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■ワン・ラブ、レイヤー・ケーキ、カポーティ、サムサッカー、ジダン、ファントマ
ルドプレミアが行われ、フランスでは5月24日に公開された
もので、日本では7月15日に緊急上映される。
『ファントマ危機脱出』“Fantômas”
『ファントマ電光石火』“Fantômas se déchaîne”
『ファントマミサイル作戦』
“Fantômas contre Scotland Yard”
日本では1965年、66年、67年に公開されたフランス製のアク
ション映画シリーズが、3本まとめて再公開されることにな
った。公開は8月後半に順次で行われるようだが、試写会は
1日で3本連続して行われたものだ。
物語は、世界征服を狙う希代の悪人ファントマと、それを追
うジャン・マレイ扮する新聞記者、彼の恋人でミレーヌ・ド
モンジョ扮する女性カメラマン、そしてルイ・ド=フィネス
扮するパリ警察の警部が繰り広げるアクションドラマ。特に
ファントマが変装の名人というのが味噌で、次々に登場人物
に変装しては悪事を進めて行くと言うものだ。
そしてシリーズは、第1作はフランス、第2作はイタリア・
ローマ、第3作はイギリス・スコットランドを舞台に、それ
ぞれの土地柄を活かした物語が展開する。特に、第3作では
ネス湖が出てきたり、最後は古城にあっと驚く仕掛けまで登
場した。
その他にも、ノートパソコンを思わせるパネル型ディスプレ
イの映像装置や、テレパシーで他人を操る武器、スカイダイ
ビング、今見るとちょっと懐かしいマジックハンド、それに
ポスターにも描かれた翼付きのシトロエンなど、結構先進的
というか、未来的な小道具がいろいろ登場するのも面白い作
品だった。
実は、第1作は多分高校に進学した年の春休みに日比谷スカ
ラ座で見た記憶があるが、第2作は見たかどうか記憶が定か
でなく、さらに第3作は大学受験の年なので見なかったと思
っていたものだ。
そのシリーズを、少なくとも第1作に関しては約40年ぶりに
再見した訳だが、40年前の記憶というのはこうも薄れてしま
うものかと自分でも嫌になってしまった。
実際のところ、第1作では、プロローグでのサインが消えて
Fantomasの文字が浮かび出るところや、途中のモンタージュ
を作るシーン、それに最後の台詞などは記憶通りだったもの
の、その間の繋がりはほとんど憶えていなかった。
それこそ昔見た第1作は、緑の油粘土のようなファントマが
無気味で、警部役のルイ・ド=フィネスはもっとドタバタで
笑わせていた印象だったが、ファントマは無気味というより
殺人も厭わない残忍さだし、ド=フィネスのコメディは案外
ストレートだった。
なお、第2作はタイトルを見てそこだけ記憶が蘇ったが、そ
こから後の物語は憶えておらず、第3作はやはり見ていなか
ったようだ。
正直に言って、第1作のテンポは今の標準から見ると相当に
緩いが、2作、3作と続けて見て行くと、段々テンポが上が
ってくるのが判る。これは連続で見て慣れが生じている面も
あるかも知れないが、ちょうどこの頃に映画のテンポが上が
り始めた時期なのかも知れないとも思えた。
また、マレイが演じる格闘シーンは、最近のものを見慣れて
いるとかなりきついが、逆にヘリコプターから縄梯子を伝っ
て降りてきたり、小型機や高層クレーンからぶら下がってい
るシーンは、CG無しの生身のスタントだからこれは凄いと
思ってしまうものだ。
なおプレス資料には、全3作を監督したアンドレ・ユヌベル
は、SFも撮っていると書かれていたが、手持ちの資料の範
囲では、1961年に“Le Miracle des Loups”(The Miracle
of the Wolves)というファンタシー作品があるようだ。他
には“OSS-117”シリーズを3本撮っているものだが、この
点は、もう少し調べてみたい。
06月30日(金)
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