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On the Production
by 井口健二
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■チーズとうじ虫、ダスト・トゥ・グローリー、THE WINDS OF GOD、ママン、ハイテンション、狩人と犬、森のリトルギャング
また特殊メイクを、『砂の惑星』や『ウエスタン』も手掛け
たジアンネット・デ・ロッシが担当している。
なお、本作で共同監督を務めたアレクサンドル・アジャとグ
レゴール・ルヴァスールは、次回作はハリウッドで、“The
Hills Have Eyes”(サランドラ)のリメイクのようだ。

『狩人と犬、最後の旅』“Le Dernier Trappeur”
カナダのユーコン準州。ほとんど北極圏に位置する北の大地
で、罠を使って猟をする狩人たち。その1人ノーマン・ウイ
ンターを追って二度の冬を掛けて撮影された物語。
元々は、現代のジャック・ロンドンとも称されるフランス人
の作家・冒険家ニコラス・ヴァニエが、カナダでの冒険中に
出会ったウインターとの交流から彼の話に興味を持ち、それ
を自身の監督で描いた作品。従って本作は、演出されたドラ
マ作品である。
ただし、それをウインター本人の主演で描いてるというのが
ちょっとややこしいが、実は彼の妻の役は女優が演じている
ものだし、さらに登場する熊や狼、カワウソ、オオヤマネコ
なども、エンドクレジットによるとプロダクションに所属す
るタレント動物のようだ。
しかし、中で描かれる物語は全てウインターの実体験に基づ
いており、さらに雪深い山々や新緑、紅葉と移り変わる大自
然の背景は、全て本物のユーコンで撮影されたものだ。
また、物語のテーマでもある犬ぞりを牽く8頭の犬たちも、
ウインターの所有犬が登場して素晴らしい「演技」を見せて
くれる。因に字幕には現れないが、原語では犬たちをboy、
girlと呼び分けており、その中でノブコという犬がboyなの
はちょっと笑えた。
物語は、山での生活は最高の自由を満喫できるとして愛して
止まない狩人たちだが、いずれもが高齢化して山を下りなけ
ればならない日が近づいている現実を背景に、愛犬の事故死
で一旦は下山の決意を固めかけた主人公が、新たな犬の登場
で思い直して行く姿を描く。
その中で、材木の切り出しから始まる山小屋の建設や、主に
罠を用いた狩猟、犬ぞりでの旅などが描かれ、最近の自然回
帰ブームの中では打って付けの大自然の中での生活が描かれ
ている。勿論それは都会生まれが一朝一夕で出来るような甘
いものではないが…
とは言え、空撮から始まり見事に切り立った渓谷の谷底を進
む犬ぞりへとワンショットで迫る導入部の映像や、心洗われ
るような大自然の美しさは、自分にはとても無理だろうと思
いながらも、大いに憧れを感じさせてくれるものだ。
ただし映画の中での、企業によって森林が次々に伐採され、
企業活動を優先するために罠を仕掛けることも規制されてい
るという発言や、現状の野生動物の生態系は狩人たちが適切
に間引くことで成立しているという話などは、どこまでが真
実かは判らないが、考えさせる問題提起も含んでいる作品だ
った。

『森のリトルギャング』“Over the Hedge”
マイクル・フライの文とT・ルイスの絵によって1995年6月
に発表された風刺色の濃いコミックスをCGアニメ化したド
リームワークス・アニメーション作品。
原作は、郊外の森林と住宅地の境界線で暮らす動物たちが、
人間の生活を眺めながら批評するというもののようだが、今
回のアニメーションの物語では、原作の主人公となるアライ
グマとカメの出会いが描かれる。
アライグマのRJは天涯孤独、ずる賢くて機転も利くが…。
一方、冬眠から醒めたカメのヴァーンと彼が率いる小動物た
ちのグループは、冬眠中に彼らのテリトリーの中に垣根が建
ち、人間の住宅地が広がっていることを知る。
ところが呆然とする彼らの前にRJが現れ、彼は、これから
は人間から食料を奪って暮らして行くのだと説く。こうして
人間から食料を奪う作戦がスタートするが…
ドリームワークスでは、『マダガスカル』に続いて動物を主
人公にしたアニメーションだが、今回はアライグマのRJが
ゴルフのクラブ入れを背負って登場するなどさらに人間化さ
れていて、多分原作がそうなのだろうが、その辺はちょっと
戸惑うところだ。

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06月29日(木)
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