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On the Production
by 井口健二
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■第111回
ンの戦い)を、今年2月15日付第105回で紹介した“Killing
on Carnival Row”のトラヴィス・ビーチャムの脚本で再映
画化する計画がワーナーから発表されている。
 オリジナルは、ローレンス・オリヴィエ、クレア・ブルー
ム、マギー・スミス、ウルスラ・アンドレス、バージェス・
メレディスという、当時の特撮映画では考えられない豪華の
顔ぶれで製作されたものだが、ギリシャ神話を題材に、神々
の王ゼウスの息子ペルセウスが、王女アンドロメダを救い出
すまでの物語の中で、試練としてゼウスが与えたペガサスの
捕獲や、メデューサとの対決などが描かれていた。
 そしてハリーハウゼンは、これらのペガサスやメデューサ
を駒撮りの人形アニメーションで描き出したものだが、特に
蛇の髪を持つメデューサの造形や動きは、人形アニメーショ
ンの特徴をよく表わしていた。しかしすでに“Star Wars”
で緻密化された特撮を見た目には、いかにも大時代的な人形
アニメーションの動きはもはや一般的な映画ファンを魅了す
ることは出来なかった。
 と言うことで、この作品では興行的な評価は得られず、結
局それがハリーハウゼンを引退に追い込む切っ掛けにもなっ
たものだが、その作品を今回はCGIなど最新の技術を使っ
てリメイクしようということだ。
 なおこのリメイクの計画も、実は数年前から検討されてい
たもので、2002年にはジョン・グレン、トラヴィス・アダム
・ライトらによる脚本が作られていた。しかしその計画は実
現せず、今回ビーチャムは新規に脚本を執筆し、物語の全体
の流れは同じとするものの、よりダークでリアリスティック
な物にするとしている。
 因にビーチャムは、前回紹介したようにまだ新人の脚本家
だが、今回の起用に当っては、「オリジナルは子供の頃に見
たものだが、今でもその神秘性には魅了され続けている」と
のことで、新鮮な感覚の神話物語を期待したい。
        *         *
 お次は、前回は『地底旅行』のリメイク“Journey 3-D”
を紹介したジュール・ヴェルヌの原作で、1954年にディズニ
ーが映画化した“20,000 Leagues Under the Sea”(海底2
万哩)を現代版リメイクする計画がニュー・ラインから発表
された。
 この計画は、クレイグ・ティトリーという脚本家の脚色を
映画化するものだが、その製作をサム・ライミが担当するこ
とでも注目を集めそうだ。ただし、今回の契約ではライミの
監督は含まれておらず、監督には別の人が起用されることに
なっている。また物語は、ディズニー版よりネモ船長の背景
に迫ったものになるようだ。
 因に原作では、ネモ船長は小国の出身とされ、母国が大国
の圧迫を受けていることに抗議する目的でノーチラス号を建
造、大国の軍艦を攻撃していることになっていたと思うが、
ネモ船長の背景に迫るというのは、その辺のことを指してい
るのだろうか。
 なお、話は映画とは関係ないが、ネモという名前は「誰で
もない」という意味だと原作の中で紹介されていたものだ。
ところが、先日、ナショナル・ジオグラフィック誌で「ユダ
の福音書」発見の記事を読んでいたら、その所有者がネモと
名告っており、途中でそれが「誰でもない」という意味だと
判って研究者たちが慌てる下りがあった。子供の頃にヴェル
ヌを読んでいた僕には常識のように思えることだったが…
        *         *
 1985年にリチャード・フライシャー監督、ブリギッテ・ニ
ールセン、アーノルド・シュワルツェネッガーの共演で映画
化されたロバート・E・ハワード原作による“Red Sonja”
(レッドソニア)のリメイクが、アクション映画で頭角を現
すエメット/ファーラの製作、ミレニアム・ピクチャーズの
配給で行われることになった。
 この物語は、シュワルツェネッガーの最初の当たり役と言
われた“Conan”と同じく、ハワードが創造した剣と魔法の
時代を背景にしたもので、元々のハワードの原作小説では独

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05月15日(月)
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