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On the Production
by 井口健二
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■第109回
オリジナルアイデアに基づくもので、誤って殺人容疑を掛け
られた男と、彼の無実を信じたい文通だけでやってきた花嫁
を巡るコメディ。元々はダニー・デヴィート主宰のジャージ
ー・フィルムスで進められていたが、同社が解散したために
宙に浮いていたものだ。
その計画をユニヴァーサルが引き継ぎ、新たにアイス・キ
ューブ主演の“Are We There Yet?”などに参加しているス
ティーヴン・ゲイリーとクラウディア・グラジオッソの脚本
家コンビを起用して、実現を目指すことにしたもので、さら
に製作には、『ダヴィンチ・コード』などのイマジンの主宰
者ブライアン・グレイザーの参加も発表されている。
* *
“Ice Age: The Meltdown”の大ヒットを受けて、同作で
共同脚本を務めた新人脚本家のジム・ヘクトが、今度はドリ
ームワークスアニメーション(DWA)で、“Punk Farm”
という計画を進めることが発表された。
この作品は、ジャレット・J・クロソツカの原作に基づく
ものだが、物語はヘクトとプロデューサーのケヴィン・メシ
ックがアイデアを出し合い、完成された概要をジェフリー・
カツェンバーグに提出、それが認められて計画進行となった
ということだ。
内容は、農園の家畜たちがパンクロックバンドを結成し、
羊、鶏、豚、山羊、牛が一緒になって、Livestockという場
所で開かれる史上初の動物によるロックフェスティバルに参
加するため旅をするというもの。『ブレーメンの音楽隊』が
思い浮かぶ展開だが、題名から連想される『動物農場』的な
捻りはあるのだろうか。
なお、DWAでは、今夏に“Over the Hedge”(森のリト
ル・ギャング)を公開、秋には『ウォレスとグルミット』の
アードマン製作による“Flushed Away”が公開されて、来年
は“Shrek the Third”の公開が予定されており、今回の作
品の順番はその後ぐらいになりそうだ。
* *
アダム・サンドラー主演“The Longest Yard”のリメイク
を手掛けたピーター・シーゲル監督が、2003年1月1日付第
30回で紹介して以来滞っていたニューライン製作によるDC
コミックスの映画化“Shazam !”に起用されることが発表さ
れた。
この計画では、同年4月1日付第36回と12月15日付第53回
でも紹介したように、最初はアカデミー賞受賞者でコミック
スファンを自称するウィリアム・ゴールドマンが脚色を担当
したものの挫折。その後は、『トイ・ストーリー』のジョエ
ル・コーエンとアレック・ソコーロフや、ブライアン・ゴル
ボフといった脚本家もリライトに起用されたが、結局、実現
を見なかったものだ。
一方、今回起用が決まったシーゲルは、「子供の頃から、
主人公のキャプテン・マーヴェルのファンだった。この物語
は『ビッグ』と『スーパーマン』を合わせたようなもので、
それまでのスーパーヒーローとは全く違うものだ」と語って
いるが、実はシーゲルは、今までの監督作品でも自ら脚本の
執筆はしておらず、従って今回も新たな脚本の登場を待つこ
とになるものだ。
取り敢えずシーゲル自身は、他の作品を1本監督してから
本作の準備に掛かるとしているが、この状況はどのように打
開されるのか。因に、シーゲルは今回の起用では製作も担当
しており、このまま製作が滞ることは製作者の責任にもなる
ものなので、それなりの勝算はあると思われるが、ちょっと
気になるところだ。
なお、Shazamとは、神話に登場するSolomon、Hercules、
Atlas、Zeus、Achilles、Mercuryの頭文字を集めたもので、
古代エジプトの魔法によって彼らの能力を身に付けた15歳の
少年が活躍する物語。どのようにでも料理は出来そうな感じ
だが、全てのファンの満足を得るのはかなり大変そうだ。
* *
ウェス・クレイヴン監督の1977年作品“The Hills Have
Eyes”(サランドラ)のリメイクを成功させたアレックス・
アジャ監督が、次回作として“Into the Mirror”というホ
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04月15日(土)
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