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On the Production
by 井口健二
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■ドラゴン・プロジェクト、ポセイドン、君に捧げる初恋、13歳の夏に僕は生まれた、ロシアン・ドールズ、ジャスミンの花開く、デストランス
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。 ※
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『ドラゴン・プロジェクト』“精武家庭”
『ジェネックス・コップ』などのスティーヴン・フォンが監
督主演したカンフーアクション作品。製作総指揮ジャッキー
・チェン、武術指導ユエン・ウーピン。
主人公の父親は男やもめの平凡な整骨医、本人は元特務機関
員を自称して色々な手柄話を周囲に聞かせるが、誰もそれを
信じてはいない。しかし父親は、主人公とその妹には幼い頃
から武術の手解きを繰り返していた。
そんなある日、父親の整骨院が襲われ、父親が連れ去られて
しまう。そして兄妹の許にも暴漢が現れ…
元スパイの親が連れ去られ、その子供が活躍するというお話
は、『スパイキッズ』などにもあったが、それを香港映画で
やると、こんな風になりますという見本のような作品だ。
物語は他愛ないし、基本的にはアクションを見せるための作
品だが、次々繰り出される見事なアクションには、本当に溜
め息を吐きたくなる。日本映画でも同じようなアクション作
品は見せられるが、その違いがどこにあるのだろうと思って
しまうところだ。
それは多分、長年培われた本物の歴史の厚みにも拠るのだろ
うが、その見せ方のうまさというか、何より演者の身体の動
かし方の一つ一つが違うという感じだ。
フォン以外の出演は、『頭文字D』のアンソニー・ウォン、
アイドルユニットTwinsのジリアン・チョンとシャーリーン
・チョイ、『香港国際警察』のダニエル・ウー、そして大ベ
テランのウー・マ。全員ちゃんと身体が動いている。
特に、妹役のジリアンが演じる見事なアクションは気分をす
かっとさせてくれるものだ。元はティーンモデル出身という
ことだが、カンフーの基礎は身に付けているということなの
だろうか。ワイアーも使用されてはいるが、華麗な身のこな
しは見事だった。
CGIやVFXを使ったアクションも違和感なく織り込まれ
ているし、それでいて肝心のところでは間違いなく生身の闘
いが繰り広げられる。そのバランスも良い感じだった。
『ポセイドン』(特別映像)
1972年公開で、パニック映画の先駆けとも呼ばれたポール・
ギャリコ原作『ポセイドン・アドベンチャー』を、1981年の
『Uボート』、2000年の『パーフェクト・ストーム』などで
海洋ものには定評のあるウォルフガング・ペーターゼン監督
がリメイク。
作品は5月12日全米公開で、現在は製作の最終段階にあると
いうことだが、ペーターゼン監督が緊急来日しての記者会見
と、特別映像の上映が行われた。
記者会見で監督は、「『Uボート』も『パーフェクト・スト
ーム』も登場人物は、兵士であったり漁師であったり、ある
意味覚悟を決めたプロたちの行動を描いた。しかし最近は、
津波やカテリーナ、9/11など一般人が災害に巻き込まれ
る出来事が多く発生し、そういうときの普通の人々の行動を
描くべきだと考えた」と製作意図を語っていた。
製作時期から言うと、カテリーナに関しては後追いになって
しまうが、確かに9/11以降の、我々自身がいつ何時災害
に巻き込まれるかも知れないという時代の中で、今この物語
をリメイクすることには意義があるのかも知れない。
で、上映された特別映像は、ワーナーのロゴに始まる巻頭の
19分30秒(映画館で上映時の1巻目のフィルムに相当)がそ
のまま流されたものだ。
その本編の最初では、海中から写された航行するポセイドン
号の船底の映像から、カメラが海上に出て、途中で登場人物
の一人が甲板をジョギングする姿を織り込みながら、船の廻
りをぐるり1周して、彼が夕日を眺めるまでの約2分半が一
気に映し出される。
このシーン、実は本物の船を借りて撮影した方が安上がりな
のだが、その後で転覆する船の撮影にはどこも貸してくれる
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04月30日(日)
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