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On the Production
by 井口健二
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■第107回
3本目もディメンションで、ミッキー・ウィガートという
脚本家の実話に基づく“Shiver”という作品を、2001年に公
開された“L.I.E.”という作品の評価が高いマイクル・クエ
スタの製作監督で進めることが発表されている。
この作品は、大晦日に大吹雪に見舞われたミネソタで足止
めされた酔っ払いのグループが、ちょっと異常なドクターの
科学的研究の対象にされてしまうというもの。社会的に当然
と思われていることが、ちょっとした切っ掛けでホラーにな
ってしまう恐怖を描いているということだ。
元々ディメンションは、ホラージャンルの作品を製作する
ために設立されたレーヴェルということで、特に3本目の作
品には実話に基づくとは言いながら、どんなホラーが展開さ
れるのか興味深い。なおディメンションでは、第100回で紹
介した“Scary Movie 4”と、前々回紹介の“Grind House”
の製作が進められている。またスティーヴン・キング原作で
“1408”という中編小説の映画化権も獲得しているようだ。
* *
映画作品を原作にした舞台ミュージカルを、さらに映画化
した“The Producers”(プロデューサーズ)が4月8日に
日本でも公開されるが、それに続いてもう1本、同様の映画
化の計画が発表されている。
その作品の題名は、“Hairspray”(ヘアースプレー)。
オリジナルは1988年の公開、ジョン・ウォータース監督、ソ
ニー・ボノ主演によるもので、1962年のボルティモアのテレ
ビ局を舞台に、ダンス番組に集まる若者たちを描いた作品。
オールディーズの音楽やダンスが満載で、ノスタルジックな
内容に評価も高い作品だ。そして、この作品は2002年に舞台
化され、その公演だけで1億5000万ドルを超える収入を挙げ
るなど、すでにブロードウェイミュージカルとしても成功を
納めている。
この作品が今回は、アダム・シャンクマンの監督で映画化
され、その主演には、ジョン・トラヴォルタ、クイーン・ラ
ティファの共演が契約されたことが発表されている。製作は
ニューラインで、撮影は、9月にボルティモアとトロントで
開始され、公開は2007年の夏に予定されているものだ。
因にトラヴォルタは、秋の撮影予定ではテレビシリーズの
映画化の“Dallas”の主人公JR役もオファーされていたも
のだが、1978年の『グリース』以来、約30年ぶりのミュージ
カル復帰となる本作への出演が優先された。そして映画化で
は、舞台化でトニー賞を受賞した作曲のマーク・シャイマン
と作詞のスコット・ウィットマンがトラヴォルタのために新
曲を書き下ろし、舞台より活躍の場が広げられるようだ。
一方のラティファは、シャンクマン監督とはすでに2003年
の“Bringing Down the House”(女神が家にやってきた)
でも組んでいるが、ニューラインは2002年の“Chicago”で
オスカー候補にもなったところでもあり、今回も活躍が期待
されるところだ。
という大物2人の出演だが、実はこの作品の本当の注目は
トレイシーという役名の10代の子役で、舞台でもトニー賞を
獲得した配役には全米でオーディションが開催される。その
オーディションは、すでにニューヨークとアトランタ、シカ
ゴでは受付が開始されたようだが、今後もボルティモアを含
めた各地で行われ、夏に開始されるリハーサルを目指して、
新星の発見が期待されているようだ。
なお、ニューラインの2007年夏の公開予定には、この他に
も“Rush Hour 3”や、第100回で紹介した“Journey 3D”、
それに巨大鮫物の“Meg”なども計画されているということ
で、かなり豪華なラインナップになりそうだ。
* *
ディズニーが、『デイ・アフター・トゥモロー』の脚本家
ジェフリー・ナチマノフと契約し、ジェリー・ブラッカイマ
ー製作を含む3作品の脚本に起用することが発表された。
その1本目は、“Prince of Persia:The Sands of Time”
という題名で、内容は、ペルシャの王子が人類を滅亡させる
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03月15日(水)
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