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On the Production
by 井口健二
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■第106回
の副題で堂々と復活。その後は、ジェイソンがマンハッタン
に現れるなど、かなり思い切った展開にされたものだが、そ
れも1993年公開の第9作“Jason Gose to Hell: The Final
Friday”で完結していた。
 さらに2002年には第10作として“Jason X”が製作されて
いるが、この作品は2455年の未来が舞台になるなど、かなり
傍系的な作品で、2003年の客演作品と併せて別立てにしても
いいと思えるものだ。ということで、今回4作目までの設定
に基づくということは、基本のスプラッターに戻すというこ
とのようにも取れるが、さてシンプル・イズ・ベストだった
オリジナルの味が現代に通用するものかどうか。興味津々と
いうところだ。
 なお、プラティナム・デューンズは、『アイランド』など
のマイクル・ベイ監督が、自ら監督する大作映画とは別に、
低予算のホラー映画を専門に製作する目的で2001年に設立し
たプロダクションだが、当初はオリジナルの作品も製作して
いたものの、最近ではリメイクばかりが目立つようになって
しまっているようだ。別段リメイクが悪いとは言わないが、
たまにはオリジナルな企画の情報も期待したいものだ。
        *         *
 『ナルニア国物語』の日本公開も始まったところだが、こ
の映画を製作したウォルデン・メディアから、さらに『ナル
ニア』スケールのファンタシーの計画が発表されている。
 この計画は、イギリスの作家ディック・キング=スミスの
“The Water Horse”という児童向けのファンタシーを映画
化するもので、スコットランドを舞台に、孤独な少年が見つ
けた不思議な卵から、伝説の海の怪獣が誕生して…という物
語。これで『ナルニア』スケールというのは一体何が起きる
のかという感じだが、監督のジェイ・ラッセルは、5年以上
も前からこの原作の映画化を計画していたようだ。しかし今
までは映画化を可能にする技術がなかったということだ。
 その技術が、『ナルニア』によってようやく完成したとい
うことで、ウォルデンでは、『ナルニア』を手掛けたウェタ
・ディジタルにVFXを依頼して、実写とCGIの合成にな
るこの作品の完成を目指すことにしている。
 脚色はロバート・ネルスン・ジェイコブスが担当し、5月
にニュージーランドでの撮影開始が期待されている。なお製
作は、ウォルデンとビーコン、それにリヴォルーションの3
社共同で、配給はソニーになる可能性が高いようだ。
        *         *
 続いてはまたまたCGアニメーション話題をいくつか紹介
しよう。
 まずは、1920年代のニューヨークを舞台に、ゴキブリとハ
ムスターが、離れ離れになったゴキブリの一家を探してさ迷
うという物語を、3Dアニメーションで描く計画が発表され
ている。
 この作品は“A Hard Life”と題されているもので、題名
からはピクサー製作の『バグズ・ライフ』を連想させるが、
製作者の発言によると「ピクサー作品との最大の相違点は、
動物を擬人化しないこと」だそうだ。つまりこの作品では、
リアルなゴキブリとハムスターがスクリーンを駆け回ること
になるようで、ハムスターはともかく、ゴキブリに対する観
客の反応はどうなのだろうか。
 因に、製作はベルリンに本拠を置くプロダクションが行う
ものだが、製作者及び監督はそれぞれルーマニア出身の人た
ちのようだ。そして製作者は、「我々の最初のアイデアは、
100%リアルなゴキブリを作ることだったが、余りに気持ち
悪くなるのでそれはやめた」ということだ。まあ現代のCG
Iの技術なら相当リアルなものも作れそうだが、今回それを
止めたというのは賢明というところだろう。
 製作費は2500万ドルが予定され、5月のカンヌ映画祭まで
に予告編を完成して、映画祭のマーケットで製作資金調達の
ためのセールスを行う計画だが、すでに声優との交渉は始め
られているようだ。また音楽には、20年代のジャズと東欧か
らの移民たちのジプシー音楽を使用するとしており、この音

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03月01日(水)
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