ID:47635
On the Production
by 井口健二
[460244hit]
■第105回
ことだ。監督の言によると「ハリウッド映画」だそうだが、
ロバート・アルトマン監督が1992年に発表した『ザ・プレイ
ヤー』のようにはならないとしている。
またクローネンバーグは、脚本家のワグナーについては、
「彼は人物を描かせたら最高の脚本家だ。自分はそれにちょ
っとだけ年の功を加えるだけだ」とのことで、題名通りなら
スター街道を目指すいろいろな人間模様が描かれることにな
りそうだ。と言ってもクローネンバーグ監督なら、一筋縄の
作品とは思えないが。
ということで、この新作はハリウッドを舞台にするものだ
が、実はクローネンバーグ監督は、今までの作品でもアメリ
カを舞台にした作品はあったが、『ヒストリー…』も含めて
これらの作品は全てカナダ国内で撮影を行っていた。しかし
今回はハリウッドが舞台ということで、さすがにそれをカナ
ダで代替することは出来なかったようだ。
従って、撮影は一部をロサンゼルスで行うことになる訳だ
が、これはクローネンバーグ監督にとっては初の合衆国内で
の撮影になるもの。撮影クルーがどのように組まれるかは不
明だが、アメリカでも人気の高い監督の許での仕事には応募
者が殺到しそうな感じだ。ただしセット撮影は、カナダのト
ロントで行うとしている。
* *
お次は、映画だけの話題ではないが、『シン・シティ』な
どに出演している女優のロザリオ・ドースンや、ジョニー・
デップ、それに監督のピトフらが原作を担当するコミックス
が発行され、さらにその映画化を彼らの手で行うことが計画
されている。
この計画は、スピークイージーという出版社が進めている
もので、元々は同社の出版しているコミックスの映画化権を
ハリウッドに売り込んでいたが、なかなか良い結果が得られ
ないでいた。そこで発想を転換して、ハリウッド人種を直接
コミックスに関わらせることにしたというもので、その発想
に上記の面々が反応したということのようだ。
そこで、まずドースンが手掛けるのは、“Occult Crimes
Taskforce”と呼ばれるミニシリーズで、ニューヨークを舞
台に彼女自身をイメージした女刑事ソフィア・オーチスが活
躍する物語。彼女は父親が謎の死を遂げたことから大都市を
襲う邪悪な存在のことを知り、それに立ち向かって行くとい
うもの。このコミックスにドースンは、共同で原作の執筆か
らコミックスを描く画家の選定にまで関っているそうだ。
また、デップが関わっているのは“Caliber”というコミ
ックスで、これはデップのアイデアに基づくもの。題名から
予想されるようにアーサー王伝説を下敷きにしたものだが、
舞台はアメリカの西部で、アーサー王が町の保安官、ランス
ロットは拳銃使い、そしてグウィネヴィアは酒場の女将にな
るということだ。まあ、後は捻り方次第ということになりそ
うだが、映画化されたらデップは保安官と拳銃使いのどちら
をやるのだろう。なお、この映画化の監督はジョン・ウーが
担当することになるそうだ。
因にこの2作は、今年の5月に刊行が始まるようだ。
さらに6月には、『インディペンデンス・デイ』や『アイ
・ロボット』などの特撮マンのパトリック・タトポウロスの
企画で“Caeadas”というシリーズも予定されている。この
作品は、考古学者が古代ローマの戦士養成所の遺跡を発掘、
そこから不死身の古代戦士を甦らせてしまうというもの。地
下で繰り広がられる『エイリアン』のような物語ということ
だ。そしてこの映画化では、タトポウロスが監督デビューも
計画しているようだ。
そしてもう1本、ピトフの計画は、題名は不明だが未来の
ボニーとクライドの物語ということで、この作品もピトフが
映画化も視野に入れて進めているものだそうだ。
皮算用はいろいろありそうだが、いずれにしてもコミック
スは発行されることになりそうで、とりあえずは5月が楽し
みというところだ。
* *
もう1つ、ジョニー・デップ関連の情報で、2003年2月に
[5]続きを読む
02月15日(水)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る