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On the Production
by 井口健二
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■第101回
はテレビ出身のトム・アステルとマット・エムバーの起用が
発表されている。因に、シーガル監督の前2作は、コメディ
でありながら、それなりに理詰めと言うか結構大掛かりな仕
掛けも上手く決まっていた作品の印象がある。
一方、この作品のオリジナルは、メル・ブルックスとバッ
ク・ヘンリーが創造した傑作スパイパロディだが、パロディ
と言っても多分夏向けの大作を目指すとなれば、それなりに
仕掛けも大きなものになりそうで、そういった意味でも今回
の監督起用は丁度良い感じのものだ。ただしこの計画では、
当初はウィル・フェレルの主演予定が超多忙になったために
カレルに変更になったものだが、そのカレルも最近は、9月
1日付第94回で紹介したように多忙になってきており、ここ
は時期を逃さず早めに実現を期待したいものだ。
* *
ここからは新規の情報で、まずは前の記事の流れで往年の
テレビシリーズの映画化の情報を一つ。
1977−83年に放送された“CHiPs”(白バイ野郎ジョン&
パンチ)の劇場版が、これもワーナーで計画され、ブラウン
管ではエリック・エストラーダが演じたパンチことヒスパニ
ック系のパンチョレロの役を、テレビ出身のウィルマー・ヴ
ァルデラマが演じることが発表された。
このシリーズはカリフォルニア・ハイウェイパトロール、
通称CHiPsに所属する2人の白バイ警官パンチとジョンの公
私にわたる活躍を描いたもので、シリーズの製作及び撮影は
ハイウェイパトロールの特別協力の下に行われたということ
だ。このためシリーズでは、ロサンゼルスのフリーウェイを
舞台にしたかなり派手なカーアクションも描かれていた。そ
して当時の製作者のリック・ロスナーは、現在もその関係を
保っているのだそうで、このため劇場版はロスナーの製作総
指揮の下で行われることになっている。これによって、映画
版の撮影もCHiPsの全面協力の下で行うことができそうだ。
なお脚本は、テレビ出身のポール・カプランとマーク・ト
ーゴフが担当。また、テレビではラリー・ウィルコックスが
演じたジョン・ベイカー役の俳優と、監督はこれから決定さ
れるということだ。
因にヴァルデラマは、テレビの“That '70s Show”という
番組で人気者になったということだが、最近は映画にも進出
して、彼が主演した“Darwin Awards”という作品は、来年
1月のサンダンス映画祭で上映されることになっている。
* *
またまたヤングアダルト・ファンタシーの計画が2本届い
ている。
1本目は、リック・ヤンシー原作の“The Extraordinary
Adventures of Alfred Kropp”という作品の映画化権をワー
ナーが獲得し、その映画化をアキヴァ・ゴールズマン主宰の
ウィード・ロードというプロダクションで進めることが発表
されている。
この作品は、15歳のちょっと無器用な少年が、叔父さんの
指示に従って古代の剣を盗み出すが、実はこの剣がエクスカ
リバーであることが判明し、これによってアーサー王の冒険
に巻き込まれることになってしまうというもの。何かちょっ
と強引な展開のようにも感じるが、原作は10月に出版されて
いる。そしてこの脚色を、『サタデー・ナイト・ライヴ』を
手掛けるデイヴィッド・アイサーソンが担当しているという
ことだ。なおウィード・ロードはワーナーに本拠を置くプロ
ダクションで、『コンスタンティン』『Mr.&Mrs.スミス』
などの映画化も担当しているところだ。
2本目は、『ネバーランド』でオスカー候補になったデイ
ヴィッド・マギーが、エリザベス・コストヴァの小説“The
Historian”の脚色を担当することになった。
この原作は、実はコロムビアが2005年5月に7桁($)で
映画化権を獲得したもので、内容は、ブラム・ストーカーが
『ドラキュラ』の元にしたと言われる串刺し王=ヴラドの墓
の探索に向かったまま行方不明となった父親を探す若い女性
を主人公にしたもの。そして彼女は、父の足跡を追う内に謎
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12月15日(木)
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