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On the Production
by 井口健二
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■第100回
共演で、中国の戦国時代を背景にした物語とされており、製
作費は中国映画史上最大と言われる1600万ドルを計上。すで
に中国北部の内モンゴル自治区で大掛りな戦闘シーンも撮影
されたということだ。
 そしてこの作品は、原作がwell-known Japanese mangaと
いうのだが、米誌の記事にはその原作の具体的な情報が書か
れていなかった。しかし日本人としてこの報道は気になると
ころで、取り敢えずは上記の英語タイトルで検索をしてみた
のだが、この英語自体が普通に使われる言葉で思わしい情報
は得られず、調査は行き詰まってしまった。
 ところが、実は米誌の記事の中に、この映画の製作に日本
からコムストックが参加しているとの記載があり、普段は映
画会社とは距離を置くようにしている自分だが、今回だけ問
い合わせのメールを送ってみた。その結果、同社の担当の方
から『墨攻』という作品だとの回答をいただいた。
 ということで原作は判明したのだが、ここで『墨攻』とい
う作品は、元々は日本ファンタジーノベル大賞の第1回受賞
者でもある酒見賢一の小説で、これはmangaではない。しか
し文庫本で170ページの小説からその後に全11巻のコミック
スが描かれており、それを考えると、well-known Japanese
mangaという紹介も仕方のないところのようだ。因に、内容
は中国の史実に基づいたものということだが、元々がファン
タジーノベル大賞受賞者の作品であり、しかもアジア各地の
スターを揃えた大作ということで、完成を期待したい。
        *         *
 お次は韓国映画で、『殺人の追憶』などのポン・ジュノ監
督が“The Host”という題名のモンスター映画を制作。その
VFXにアメリカのオーファンエイジ、ニュージーランドで
ピーター・ジャクスンの『指輪』や『キング・コング』を手
掛けるウェタ、そしてオーストラリアから『ベイブ』でオス
カー受賞のジョン・コックスの参加が発表されている。
 この作品は、韓国の首都ソウルの中心を流れる川から、突
然変異のクリーチャーが現れ、人間を襲い始めるというもの
で、このクリーチャーのVFXをオーファンエイジが担当、
さらにアニマトロニクスをコックスのクリーチャーショップ
が手掛け、それにウェタのCGIが加わるということだ。
 それにしても大掛りな体制が採られたものだが、最近のハ
リウッドのVFX大作では複数の会社が参加するのは当り前
になってはいるものの、そう言っては何だがアジア映画でこ
れだけの体制は異例のことだ。それについて製作担当者は、
「我々の野望は、世界中の観客にアピールできるハイエンド
のモンスター映画を作ること」ということで、これに掛ける
製作費の1000万ドルは韓国映画で最大級とのことだ。
 なお、実写撮影は6月に開始されてすでに完了しており、
これから来年7月の公開に向けてVFXの作業が行われる。
因に日本の配給権はハピネットが獲得しており、日本でも早
期に見ることができそうだ。
        *         *
 もう1件、韓国映画の情報で、『JST』などのパク・チ
ャヌク監督が2作品の計画を発表し、それぞれは、ちょっと
捻ったラヴストーリーと、現代を舞台にしたヴァンパイア映
画になるということだ。
 その1本目は、題名を英語に直訳すると“Even If You're
a Cyborg, It's No Problem”というものだそうで、この題
名通りでも面白そうだが、一応内容は、自分をサイボーグだ
と思い込んでしまった女性とその恋人の物語。しかしCGI
も多用されるということで、CGIでは女性のファンタシー
を描きたいとしている。3月に撮影開始して2006年秋に公開
の予定。因にこの作品は、HD-24pのシステムを使って撮影さ
れるもので、韓国のCJエンターテインメントが計画してい
る8本のシリーズの一角をなすものになるということだ。
 そして、もう1本のヴァンパイア映画は、英題名を“Evil
Live”とするもので、この作品では、主演を『JST』の

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12月01日(木)
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