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On the Production
by 井口健二
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■第98回
末息子ということだが、本人は「自分では子供たちのために
書いたつもりだったが、もっと成長した人たちも楽しんでく
れたようだ」と思わぬ展開に驚いていたようだ。これだけの
大人たちを熱狂させた物語がどんなものか、早く知りたいと
ころだが、因に原作を出版するランダムハウス社は、2003年
に8ページの概要だけで出版の契約を結んだということで、
最初からかなりの注目作だったようだ。
* *
リメイクの話題で、1954年に製作されたユニヴァーサル・
ホラーの一篇“Creature From the Black Lagoon”(大アマ
ゾンの半魚人)の再映画化が、今春公開された『サハラ』の
ブレック・アイスナー監督で行われることになった。
オリジナルは、『縮み行く人間』などの作品でも知られる
ジャック・アーノルドの監督で、元々は3Dで製作された作
品だが、その効果が無くても素晴らしいとの高評価が与えら
れているものだ。また今回の監督を担当するアイスナーも、
「オリジナル版は子供の頃に、自分の最も好きな作品だった
と記憶している。この映画の持つ1950年代の象徴的なイメー
ジに、さらに現代的なSFの感性を加えて、『エイリアン』
や、ジョン・カーペンター版の『遊星からの物体X』のよう
な作品にしたい」と抱負を語っている。
物語は、謎の半魚人(Gill Man)を求めてアマゾンの奥地
に向かった探検隊を襲う恐怖を描いたもので、それまでは、
ドラキュラやフランケンシュタイン、狼男など、専ら中世の
町や古城を舞台に描かれていたユニヴァーサル・ホラーが、
一気にその世界を拡大した作品とも言われているようだ。
なおリメイクの製作と脚本は、オリジナル版の脚本を手掛
けたアーサー・A・ロスの息子で、映画製作者のゲイリー・
ロスが担当。彼が書き上げた現代版の脚本から、撮影はアメ
リカ国内と、中米若しくは南米で行う計画ということだ。
またアイスナーは、前ディズニー社代表の息子ということ
だが、『サハラ』以前には、テレビでスピルバーグ製作によ
る『テイクン』や“The Invisible Man”などの演出も手掛
けており、この手の作品にはベテランと言えそうだ。まあ前
作でも、かなり荒っぽい内容を、それなりに纏め上げていた
感じはしているので、比較的きっちりとした演出の求められ
るホラー映画の監督には向いているような感じもする。それ
に監督が挙げている2作品も、ホラーとしての評価が高い作
品で、その意味ではよく判っている人というところだろう。
映画の完成を期待して待ちたい。
因にオリジナルからは、“Revenge of the Creature”と
“The Creature Walks Among Us”という2本の続編も作ら
れているものだ。
* *
残量も少ないので、後半は短くニュースを纏めていこう。
『呪怨』ハリウッド版に主演のサラ・ミッシェル・ゲラー
と、『ターミナル』などに出演のディエゴ・ルナ、それに渡
辺謙という異色顔合せのサスペンスドラマを、1月にメキシ
コシティで撮影することが発表された。
この作品は、“The Air I Breathe”と題されているもの
で、物語は、中国の故事に準えた4つの感情=幸福、歓喜、
悲嘆、恋愛を描く犯罪ドラマとされている。脚本は、監督も
務めるイエホ・リーと、ボブ・ディロサが執筆。メキシコ系
の芸術活動を支援しているエミリオ・ディエス・バローソが
新たに設立したナラ・フィルムスと、『メイド・イン・マン
ハッタン』などを手掛ける製作者のポール・シーフが製作す
る。なお製作費は1000万ドル以下の予定だが、ナラ社がこれ
以外にも進めている映画製作の中では高額の作品のようだ。
またシーフは本来はソニー傘下の製作者だが、この作品は別
枠と発表されている。
* *
クリス・ヴァン=オールズバーグ原作のファンタシー作品
『ザスーラ』が今秋公開されるジョン・ファヴロウ監督が、
オリジナル脚本による長編CGIアニメーションをソニー・
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11月01日(火)
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