ID:47635
On the Production
by 井口健二
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■イエスタデイ・ワンスモア、ミリオンズ、コープスブライド、ビッグ・スィンドル、旅するジーンズと・・・、ビタースイート、探偵事務所5
いるが、180度違う役柄で驚かされる。          
他には、『トータル・リコール』のレイチェル・ティコティ
ン、2003年の『ミッシング』でトミー・リー・ジョーンズ、
ケイト・ブランシェットらと共演したジェナ・ボイドが、そ
れぞれ重要な役で出演している。            
ワシントンポスト紙の紹介は「大の男が泣かされてしまう」
だったそうだが。確かにこれだけの物語が提示されると、ど
こかに自分でも思い当たるものが出てきそうだ。それが出て
こない人は、多分本人が鈍感なのだろう。        
見ているときに、同じワーナー映画で2003年3月に紹介した
『ヤァヤァ・シスターズの聖なる秘密』を思い出した。ちょ
うどあの作品も4人の姉妹のような女性たちの物語だが、多
分この子たちもあんな風になるのだろうなと考えると、ちょ
っと微笑ましくもなった。               
因に、物語は4つの場所が同時進行で交互に登場するが、世
界中に広がったロケーションをその通りに撮影したはずはな
く、それぞれの土地で集中させて行われたものだ。それをこ
のように見事に繋いでみせた編集も素晴らしいものだった。
それにしても、ジーンズの最初の旅先であるギリシャのサン
トリーニ島の風景がこの上なく美しく、この物語の開幕には
最高のものに感じられた。               
                           
『ビタースイート』“濃厚不倫 とられた女”      
国映/新東宝製作によるピンク映画が一般上映されることに
なり、試写会が催された。なお、一般上映に当って題名が変
更されるということだ。                
同様に一般上映されるピンク映画の試写会は何本か見ている
が、今まではなんと言うか、ピンクなのか一般なのか中途半
端な作品が多い感じで、正直に言って気に入った作品は少な
かった。                       
しかし今回は、4月に紹介したドキュメンタリーの『ピンク
リボン』でも中心的に取り上げられていた女池充監督の作品
で、さすがに今一番人気の高い監督の作品という感じのもの
だった。特に間違いなくピンク映画という作品なのが良い感
じでもあった。                    
主人公は結婚を控えた若い女性。その彼女が婚姻届けの用紙
をもらいに行った区役所で、次に来た男が離婚届けをもらう
のを見てしまう。その後、以前の同僚の女性と会食した彼女
は、その店のオーナーシェフが次に来た男性であることに気
付く。                        
一方、オーナーシェフの男には離れて住む妻子がいたが、妻
との関係は冷え切っている。その妻は親友だった男の彼女を
奪ったもので、以来10年近くが経って、今ではその親友は堕
落して酒浸りの生活となっている。そして…       
ピンク映画の物語をだらだらと書いても仕方がないとは思う
が、この複雑な人間関係の物語を、58分の上映時間の中で、
しかも幾度ものベッドシーンを織り込んで描いているのだか
ら、この構成力というか、物語をまとめ上げる力は大したも
のだと思う。                     
言い古されたフレーズだが、たかがピンク、されどピンクと
言うところだろう。                  
因に女池監督は、ピンク映画の監督としては初めて、文化庁
の新進芸術家海外留学制度の芸術家在外研修員として昨年秋
からニューヨークに留学中だそうで、今年10月に予定されて
いる帰国後にどのような作品を生み出すか注目されていると
いうことだ。                     
またこの作品は、今年6月に急逝したピンク女優の林由美香
が出演していることでも話題になっている。       
                           
『探偵事務所5』                   

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09月30日(金)
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