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On the Production
by 井口健二
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■ミート・ザ・ペアレンツ2、欲望、もっこす元気な愛、ダウン・イン・ザ・バレー、ベルベット・レイン、シルバーホーク、デッドライン
ヨー製作・主演によるアクションアドヴェンチャー作品。
ヨー扮する主人公は、幼少の頃から少林寺に学び抜群の腕を
見せた女性。その腕ゆえに他の仲間からは引き離され、英才
教育を受けてきた。そしてその後は資産家の養女となり、今
ではセレブとして著名であると同時に、銀色のマスクで正体
を隠しシルバーホークと名告って正義のために戦うスーパー
ヒロインともなっていた。
しかしそんなシルバーホークは、悪人たちの敵であると同時
に警察にとっても邪魔な存在であり、その彼女を捕えるため
にリッチマン刑事が立ち上がる。彼は彼女が少林寺で共に学
んだ幼馴染みだったが…
一方、日本企業から新型の携帯電話が発売され、そのプロモ
ーションが始まるが、その陰にその携帯電話の新機能を悪用
して世界支配を企む陰謀が進んでいた。果たしてシルバーホ
ークは警察の追求をかわし陰謀を阻止することができるか。
ヨーは先にも書いたようにハリウッドでもアクション女優と
して活躍しているが、ジャッキー・チェンなどに比べると、
やはり海外で主演を張れるまでには至っていない。これは多
分、彼女が東洋人でなくても非常に困難な道であると思われ
るが、本作はその分を取り戻すかのような見事な女性主演の
アクション作品だ。
ヨー主演のアクション作品では、先に『レジェンド−三蔵法
師の秘宝』という作品が公開されているが、本作もそれと同
様、ヨー自身の製作によるもので、勘繰れば多分ハリウッド
で稼いだ金で自分好みの作品を作っているというところなの
だろう。
しかしいずれの作品も、最近のハリウッド映画では中々見る
ことのできなくなった生身中心のアクションであり、このよ
うな伝統を守り続けているのも、彼女が使命と感じていると
ころかも知れないものだ。
『レジェンド』で描いた伝奇世界に対して今回は近未来もの
だが、いろいろ描かれるVFXや仕掛けも程よく決まってい
るし、エンターテインメントとしては良くできた作品と言え
るものだ。監督のジングル・マもそこそこのベテランで、こ
の辺は手慣れている。
なお、日本企業の社長役で岩城滉一が登場。時節柄ちょっと
某首相に似た風貌がいろいろ皮肉に見えたのも面白かった。
『デッドライン』(タイ映画)
タイ映画では、先に『風の前奏曲』を紹介したばかりだが、
文芸作品からアクションまでいろいろ公開してもらえるのは
嬉しいところだ。と言うところで本作は、国家的陰謀を背景
にした一大アクション巨編と呼んで良さそうな作品だ。
物語の一方の主人公は、国境地域で麻薬の取り締まりに当っ
ていた国軍士官。しかし麻薬組織の本拠を突き止めて攻撃に
出たのも束の間、予想を超える反撃に遭い、本部への支援要
請も無視されたまま部下の多くを失ってしまう。
そして彼が首都バンコクに戻ったとき、彼を待っていたのは
軍司令官からの国家の窮状を救うためと称する秘密任務だっ
た。
折しもタイでは、国家経済の破綻を避けるために国際通貨基
金(IMF)からの借款を前倒しで返済する作業が進んでい
た。しかし、その政府方針に反対するグループには、暴力に
訴えてでも返済を阻止しようと目論む動きがあった。
そして、物語の他方の主人公は、バンコク警察の敏腕刑事。
彼は敵が繰り出す様々な攻撃をかわしつつ、敵の真の狙いを
探ろうとしていたが…
この物語に、プロローグとなる国境ジャングルでの銃撃戦に
始まって、最後はバンコク一の繁華街と言われるバトムワン
交差点を完全封鎖しての大銃撃戦が彩りを添える。
タイ映画では、今までにも尋常でない火薬が使用される作品
を見てきたが、今回の特に最後の銃撃戦のシーンは半端では
ない。しかもこの撮影には、14人の一線級の監督と10人のカ
メラマン、15台のカメラ、それに6000人のエキストラが動員
されたというものだ。
以下、ネタばれがあります。
とまあ本作は、アクション映画としては見所満載の作品なの
だが、実は映画を見終って物語がよく判らなかった。つまり
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09月29日(木)
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